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ひぐらしのなく頃に 薔薇し編
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:00:28.25 ID:7CJ9SSpe0
- ※このお話は前作
「ローゼンメイデンが雛見沢で巻かれたようです」
「ひぐらしのなく頃に 薔薇巻き編」
と同じ世界のお話です
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:01:09.16 ID:ljDdX5KD0
- ktkr
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:01:12.45 ID:7CJ9SSpe0
- 本当に楽しい日々はすぐに過ぎる
いや、慌しかったせいもあるかもしれないが…
あの日…真紅に初めて出会った日からすでに数週間が経過し、
普通は待っても待ってもなかなか来ない夏休みへと突入していた
みな楽しく生活している
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:01:53.87 ID:7CJ9SSpe0
- 相変わらず水銀燈はレナに嫌というほど可愛がられている
翠星石は蒼星石に会うため詩音のマンションを訪れ、
蒼星石は翠星石に会うため園崎家を訪れる
雛苺は羽入と共に甘い物を食いすぎて梨花ちゃんと沙都子に怒られたらしい
金糸雀は相変わらず監督のディープラヴを受け続けている
また、鷹野さんの病室からは夜な夜な怪しげな…
もとい楽しげな二つの笑い声が聞こえてくるのだという
雪華綺晶と鷹野さんも楽しく過ごしているようだ
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:02:42.83 ID:7CJ9SSpe0
- 「と、いうわけで!今日のビリは真紅に決定!」
「真紅がビリたぁ珍しいじゃねぇか!どうしたんだ、ん?」
「くっ…あそこで市民に逃げずに奴隷を出していれば…!」
真紅が悔しそうに唇を噛む
「真紅ひょっとして、このゲーム苦手なんですか?」
「こぉんな簡単なゲームが苦手なんて…無様ねぇ真紅ぅ。」
「レナはこのゲーム得意なんだよ、だよ!」
「相手の考えを読むのがこのゲームの必勝法ですから…
レナには持って来いのゲームかもしれないのです。にぱー☆」
「あぅ…レナの洞察力はパネェのです…。」
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:03:34.37 ID:7CJ9SSpe0
- 「僕は沙都子ちゃんのトラップが怖かったなぁ…。」
「あらあら謙遜なさいますのね。そんなこと言って蒼星石さんは見事に
わたくしのフェイクを見破ったではございませんの。」
「さすが翠星石の妹ですぅ!沙都子のトラップなんか
簡単に潜り抜けてやったのですぅ!」
「でも…翠星石お姉さまは簡単に引っ掛かりましたね…くすくす。」
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:05:13.36 ID:7CJ9SSpe0
- 「カナは引っ掛からなかったかしら!えっへん!」
「金糸雀はフェイク自体に気付かなかっただけなのー。」
本当に楽しい
いつか俺は言ったっけ
こんなに毎日が幸せだといつか転びそうで怖い…って
でも、こんなに毎日が楽しいならいつ転んでも本望だと
いまならそう思える気がした
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:06:49.54 ID:7CJ9SSpe0
- 「…お父様…どうなさますか…?」
「あぁ…彼女たちがアリスゲームをしないというのなら…
仕方ない。予定を変更しよう。」
そう会話する二つの影
その視線の先には鏡の中に映し出されたたくさんの影
『はははは!いい格好じゃねぇか真紅!似合ってるぜ!』
『う、うるさいのだわ!そんなにじろじろ見ないでちょうだい…!』
『はぅ〜!真紅ちゃんのバニーさんかぁいいよ〜!』
『お持ち帰りはダメよぉレナぁ。我慢しなさぁい。』
ドッと笑い声が広がる
「………。」
「ふん…馬鹿なドールたちだ…。こんな人間などと遊びに現を抜かすとは…。
これなら君がローゼンメイデンを超えることなどたやすいだろう。なぁ、薔薇水晶。」
「…はい…お父様…。」
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:07:21.88 ID:7CJ9SSpe0
- 今日も部活が終わり、園崎家から帰宅してきた
この大所帯になってから部活は専ら魅音の家で行われている
「ふぅ…今日も楽しかったなぁ真紅!」
「…それはビリだった私への嫌味かしら?」
「ははは!まぁまぁそうピリピリするなよ。可愛かったぞ。」
「……。」
真紅は黙って読書を始めてしまった
心なしか頬が赤いことには触れないでおいてやろう
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:08:23.32 ID:7CJ9SSpe0
- 夕食も終わり、あとは風呂に入って寝るだけとなった
ふと少し気になることがある
否、なぜ今まで気にしなかったのだろうか
「なぁ真紅。お前らって風呂には入らないのか?」
「お風呂?別に入る必要はないのだわ。」
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:09:06.32 ID:7CJ9SSpe0
- 「何を言うか!体が汚れちまったらどうするんだ!さぁ真紅!一緒に風呂に入ろう!
この俺がそのきれいな体を隅々までごぶへぁ!」
「なぁに?よく聞こえなかったのだわ。もう一度言ってちょうだい。」
真紅はにっこりと、笑ってない笑顔で倒れた俺に近づいてくる
そのツインテールはまるで別の生き物であるかのように
ひゅんひゅんと暴れ狂っている
「じょ…じょじょ冗談だよ真紅…だから落ち着け…落ち着いてくれ…
い…いやああああああああああああ!!!!助けて!にーにー!にーにー!」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:10:01.63 ID:7CJ9SSpe0
- 「まったく…人間の雄は本当に下劣なのだわ…。」
「だから冗談だって言ってるじゃねぇか…。」
あの後結局俺はフルボッコにされ、今まで軽く気を失っていた
俺の名誉のため、真紅にもう少し弁解しようと口を開こうとした、その瞬間
真紅の肩がびくりと震え、手元の本に落としていた視線をばっと上げた
「っ…な、なんだよ真紅…!まだ殴り足りねぇってのか?もう勘弁…」
してくれ、という言葉は言えなかった
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:10:57.84 ID:7CJ9SSpe0
- なぜなら、明らかに真紅の様子がおかしい
その視線は俺の方ではなく、窓、外に向いている
「お、おい真紅…どうしたんだよ…?」
「……何かが…何かが来る…。」
何かって何だ、という俺の疑問は喉まで出かけてそのまま押し殺された
「…ふふ…ふふふふ…。」
窓の外に、不気味な声で笑う影を見つけたからだ
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:12:07.09 ID:7CJ9SSpe0
- な…なんだあいつは…?ローゼンメイデンか?
いや、そんなはずはない。ローゼンメイデンは全部で七体のはずだ
そんな疑問を、混乱している俺の代わりに真紅が口にしてくれた
「いったい…あなたは誰なの?」
「あなたは…誰なの…?」
その人形は真紅の言葉を真似して返す
なんなんだこいつは…
「……私は、ローゼンメイデン第五ドール、真紅。」
「私は…薔薇水晶…。」
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:12:56.18 ID:7CJ9SSpe0
- 「薔薇水晶…?真紅、知ってる名前か?」
真紅は首を横に振る
「いいえ…初めて聞いたのだわ…。」
「そうか…。おい、薔薇水晶!お前の目的はなんだ!」
真紅の返答を聞き、俺は視線を薔薇水晶に向け直して叫ぶ
すると薔薇水晶は表情を崩さないままゆっくりと口を開いた
「…nのフィールドで…会いましょう…。」
そう言ってすっと姿を消した
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:14:01.36 ID:7CJ9SSpe0
- 「…真紅…どうする…?」
わずかな沈黙の後、先に口を開いたのは俺だった
「どうするも何も…相手の目的がわからない以上、
行かないとどうにもならないのだわ。」
「そりゃそうだが…もし罠だったら…」
少なくともあの薔薇水晶というドールから友好的な感情は見出せない
俺たちの敵の可能性が高かった
くそ…また敵が出てくるってのかよ…!
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:14:58.41 ID:7CJ9SSpe0
- そんな不安に駆られていると、真紅がふっと表情を崩して言った
「大丈夫。あなたが居る限り私は負けはしない。
それに、忘れたの?私たちはもう、アリスなのだわ。」
「…あぁ、そうだな!あいつが何を企んでいようとも、
どんな敵であろうとも、俺たちは絶対に負けやしない!
へへっ、この俺としたことが弱気になっちまうとは情けないぜ!」
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:15:56.80 ID:7CJ9SSpe0
- そう返すと真紅は微笑んだ
「では、行きましょう。nのフィールドへ。」
そう言って鏡のもとへ歩きだす
「あぁ、行こう。」
そうだ、俺としたことが何を弱気になってたんだ
俺たちが運命に負けるなんてこと、絶対にあるわけがない!
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:17:03.83 ID:7CJ9SSpe0
- 「ここか…薔薇水晶のフィールドは…。」
「えぇ、そのようね。」
そう言って二人で辺りをきょろきょろと見回す
見たところ、西洋の城の中、ホールといった感じだ
だが…薔薇水晶はどこにいるんだ…?
と思った瞬間、奥から足音が聞こえる
その音は一人の物ではない
薔薇水晶と、薔薇水晶のミーディアムか?
真紅も神経を研ぎ澄まして足音する方をじっと見つめている
そしてその正体が姿を現した
「なによぉ…真紅と圭一じゃなぁい。」
「はぅ…どきどきした〜…。」
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:18:20.45 ID:7CJ9SSpe0
- 「れ、レナ?水銀燈?なんでお前らこんなとこに…」
「まさかあなたたちも薔薇水晶に…?」
薔薇水晶の名前を出した途端、二人の目つきが少し鋭くなる
「えぇ…やっぱり私たちだけじゃなかったみたいねぇ…。」
「うん…圭一くん、真紅ちゃん、二人ともあの薔薇水晶って子…どう思う?」
「あまり好意的には見えなかったな…。」
「えぇ、私もどちらかと言うと彼女は敵に位置すると思うのだわ。」
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:19:35.36 ID:7CJ9SSpe0
- そう答えるとレナはやっぱり…と呟き、言葉を続けた
「レナもあの子はたぶん敵なんじゃないかなと思う。でもどうして…。」
理由がわからないのは俺も同じだ
それどころかあいつの正体すらもまだわからない
とりあえず…
「まずはあいつを探すことから始めよう。
それに、きっと他の連中も来てるはずだ。」
みんなは静かに頷く
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:22:30.62 ID:7CJ9SSpe0
- 長い廊下に俺たちの足音が響き渡る
しかしやけに部屋が多いな…
西洋の屋敷ってこんなもんなのか?
とりあえず手分けして片っ端からドアを開けていくが…
「またはずれかよ…。」
「はぅ〜、こっちもだめ…。」
「ここも誰もいないのだわ。」
「中に誰もいないわぁ。」
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:25:05.29 ID:xvmywH90O
- 復活か
支援
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:25:09.97 ID:7CJ9SSpe0
- もう何個目の部屋だろう
俺は連続する緊張感に若干の疲れを感じつつ扉を開けた
その瞬間、緊迫した雰囲気をぶち壊すような明るい声が聞こえた
「あ〜!圭一たちなのー!」
「あ、ほらほら!みんないるかしら!」
「ば、馬鹿!大きい声を出すんじゃねぇですぅ!
どこにあいつが潜んでやがるかわからないんですよ!?」
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:28:10.72 ID:7CJ9SSpe0
- 「翠星石…君の声も十分大きいけど…。」
「くすくす…臆病な翠星石お姉様…怖がりの翠星石お姉様…。」
「みぃ…翠星石はがたがたぶるぶるでにゃーにゃーなのです。」
「あぅあぅ…僕もちょっと怖いのです…あぅあぅあぅ…。」
「なぁに我が部の部員が怖がってんだか!
これだけ人数揃ってんだから何も怖がることないでしょ!」
「あらあら、本当にみなさんお揃いのようですわね。」
「まぁ、どちらかというと揃っているのは私たちの方みたいですけど。」
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:31:16.89 ID:Kr5cm4kN0
- 紫煙
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:31:46.84 ID:7CJ9SSpe0
- 見ると、俺たち以外の部活メンバー全員が一同に揃っている
「すげぇ大所帯だな…。お前ら全員一緒にこのフィールドに来たのか?」
「いいえ、私、お姉、翠星石、蒼星石は一緒に来ましたが
他の皆さんとはここで出会いました。」
「ボクは沙都子、羽入、雛苺のグループで来たのです。」
「カナは雪華綺晶と二人で来たかしら。」
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:32:51.32 ID:xvmywH90O
- 支援
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:34:30.25 ID:7CJ9SSpe0
- 支援レスがあるだけですごく嬉しい不思議
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 21:35:18.90 ID:7CJ9SSpe0
- ん?雪華綺晶と二人?
「監督と鷹野さんはどうしたんだよ?」
「はい、マスターはやはり病気が完治するまで
無理をするわけにはいかないみたいなので残ってもらいました。」
「キョウちゃんにはみっちゃんのことを見てあげるようにお願いしたかしら。
二人ともすごく心配してくれて説得するの大変だったかしらー。」
なるほどな…
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