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川 ゚ -゚)狼は赤頭巾を想っているようです

1 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:34:10.59 ID:4SVRL59Z0
 


まとめサイト:http://applevip.web.fc2.com/okami/okami.html

2 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:36:41.34 ID:4SVRL59Z0
 

しかし町を出ても狼には行くあてなどありませんでした



狼には目的もありませんでした



狼は赤頭巾と楽しく暮らせればそれでよかったのですから








(´・ω・`) 〜赤頭巾7・前〜

3 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:40:08.94 ID:4SVRL59Z0
夕明かりが町を包み込むように照らしている。
空を見上げれば容易に一番星を見つけることができるだろう。
それはしかし、外に出ることができない今の僕には関係ない話だ。

うん、仕事中なんだ。
さらに言えば、今、バーボンハウスにいるのは僕1人だけだったりするからなおさらなんだ。

……訂正。
今、バーボンハウスには2人の人間がいる。
ただしもう1人は店員ではなく客なのだが。

('A`)「……今日はクーの奴いないのか?」

(´・ω・`)「まだ来てないだけだよ」

('A`)「そか」


それだけ言うとドクオは鞄の中に手を突っ込み、ごそごそと何かを探し始めた。
先ほどの会話は“どうしてクーがいないのか?”という疑問に繋がるのではなく、むしろクーがいないことを確認しただけのようだ。
つまり、今から“クーがいないから”できる用件を切り出そうとしているらしい。
大体見当はつくけどね。

('A`)「とりあえず3ヶ月分だ」

ドクオはそう言いながら鞄から封筒を取り出す。
封筒の中身は彼が貯めたお金が入っているだろう。
まだ中身を確認していないが、確信している。

4 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:42:27.81 ID:4SVRL59Z0
(´・ω・`)「いつもすまないね」

('A`)「いいよ別に。お前の研究の成功を願ってるのは俺も同じなんだし」


封筒を受け取る。

これは今に始まったことではない。
とある一件であの研究所をやめて、1人でひっそり研究を続けようとしていた時、ドクオは僕に援助してくれたのだ。
ドクオが仕事で貯めたお金を僕に渡しにくるようになったのはそれからだ。


1人で研究するのは生易しいものではない。
特に金銭面で苦労する。
必要な装置1つ買うだけでも数百万するのが普通なのだから。

だから、情報を売買できる職……つまりバーボンハウスを立ち上げた。
稼ぎがいい、片手間で研究ができる、さらに僕のもう1つの目的を考えるとこれしかなかった。
しかしそれでも研究をつづけていくためには、まだきつい。
個人的な理由で研究をやめるわけにはいかないので、ドクオには感謝している。
感謝しているが……申し訳ない。

5 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:45:45.64 ID:4SVRL59Z0
(´・ω・`)「クーから聞いたよ。かなりひもじい思いをしているそうじゃないか。
       お金の援助はありがたい。
       けど無理はするなっていつも言ってるだろうに」

('A`)「大丈夫。ちゃんと生きてるから」

(´・ω・`)「……君にもしものことがあったら残された僕はどうなるんだよ」

('A`;)「あー……」



('∀`;)「しっかし、いつも金を持ってくるときに限ってクーはいないよな!案外空気読めるんじゃね、あいつ?!」


話題を強引に変えるなよ。
今日ばかりは頭が上がらないから、その話題に食いついてやるけどさ。


(´・ω・`)「ハァ……この前は非番、さらに前は彼女自身、精神的に追い詰められてたから休んでたんだよ。
       ただ単に運が良かっただけだよ。
       まあ、クーは特にお金がないわけじゃないから隠さなくてもいい気がするけど」

しかし、ドクオが隠し事したい時にいないなんて間が良いのやら悪いのやら。
一応、今日はここに来るはずなんだけど……何かあったのかな?

クーが来ないことを疑問に思い始めた頃になって店の入口……正確にはドアの外から足音が聞こえた。
やれやれ、やっと来てくれたか。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 15:47:30.17 ID:DqSh8M1KO
久々支援

7 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:48:59.14 ID:4SVRL59Z0
そうしてドアが開く。

(;´・ω・)「遅刻乙。理由はあとでたっぷり………………っ!」


言葉が、続かない。
開いたドアから2人の女性が出てきた。
1人は当然の如くクー。
ただし所々服が破け、ぐったりしている。
そのクーに肩を貸しているもう1人の女性。
不気味な程の色のない頭髪、それに同調しているように透き通るほどの白い肌。
その白の中で強烈に主張している目の下のくまは昔と変わらず、懐かしく思えた。

从 ゚∀从「……よぉ」

(;´・ω・)「…………」


なんで君がここに?
なんで君はクーを?
なんで3年間音沙汰なかった?
様々な疑問が頭の中をよぎるが、それらを上手く口に出せない。

(;´・ω・)「な……んで?」

かろうじで出てきた言葉は何に対してか自分でも分からない。
ハインはその曖昧な疑問を無視して僕の方に向かってきた。

从 ゚∀从「手前とは積もりに積もった話に花を咲かせたいところだが……とりあえずこいつをどうにかしろ」

8 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:51:50.46 ID:4SVRL59Z0
川  - )「……」

よく見るとクーの体のいたるところに電流斑、電紋が見られた。
よほど近くで高圧電流を浴びたか……もしくはクー自身が放出したか。

('A`;)「おい、そいつ生きてるのか?」

从 ゚∀从「残念ながらな」

(´・ω・`)「……ハイン、クーを連れて僕の後についてきてくれ」

从 ゚∀从「……」

('A`)「あれ?ショボン。その女と知り合いか?」

ドクオの質問を沈黙で答える。
ハインが来たことで動揺してしまっているし、クーを早く治療しなきゃいけないのでお喋りする余裕が今の僕にはない。
地下室へ続くドアを開く。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 15:53:17.19 ID:sBo/Cgsv0
支援

10 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:55:20.45 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「……そうだ。おい、そこの貧相顔」

地下への階段に一歩踏み出そうとしていた時、後ろでハインの声が聞こえた。
顔をハインへ向けると、彼女は彼女でドクオへ顔を向けていた。
どうやら先ほどのはドクオに呼びかけたものらしい。

('A`;)「あれ?貧相顔って俺のこと?」

从 ゚∀从「当然だろ。まあそんなことはどうでもいい。お前も来い」

('A`;)「何で俺も?」

从 ゚∀从「人の目があるとこいつと一緒でも平静を保っていられる。保障はしねえがな。
      切れやすい血管が切れずに済むに越したことはないだろ?
      まあしょぼい備えだが、ないよりはマシってことだ」

('A`;)「えーと?」

(´・ω・`)「ドクオ。僕からも頼む」

頭の悪いハインにしては名案だった。
他者の目があると人間、大それたことはできない。
ドクオがいるだけで身の安全性が向上するので僕からも頼んだ。

ドクオは僕らの頼みに多少混乱しながらも頷いてくれた。

11 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 15:57:48.38 ID:4SVRL59Z0
その後、僕らはクーの治療をするために地下室に入る。
はじめに僕が部屋に入り、その後ろをドクオ、ハイン(&クー)の順番に続く。
僕とハインの間にドクオが入っているのはもちろん安全策だ。


この際だから言ってしまおう。
僕とクーの関係は実験者と被験体のそれだ。
3年前までVIP研究所で僕はハインを使って様々なことを試した。
薬物投与、薬物投与の影響を調べるための解剖、人体の強度を調べるための拷問、etc。
僕の目的のためにやったことだが、今から考えると狂気の沙汰としか思えない。
そう思えるようになったのも、3年前のあの日にハインから教えられたからだろう。

だからこそあの研究所で研究を続けていくことができなかった。
しかし、だからといって僕とハインの関係は3年前と変わらない。
例え、僕の考えがあの時と変わっていてもハインが変わらなければ僕らの関係も変わらない。
そして僕には変える気もない。これは今まで冒涜し続けてきたハインに対しての謝罪なのだから。

('A`;)「あのぅ〜……なんか空間がすっごい重く感じられるんですけどぉ」

(´・ω・`)「その感覚は正しいけど空気嫁」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:00:44.36 ID:yS+4iqzjO
久し振りだな支援

13 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:01:03.43 ID:4SVRL59Z0
そんなこと言われなくても分かってる。
ハインは間違いなく僕を憎んでるのだから。
……やることがあるから今はあまり考えないほうがいいかな。

(´・ω・`)「ハイン、クーをそこのベッドまで運んで」

从 ゚∀从「……」

ハインは無言で僕の言ったとおりにベッドに運び、クーから離れる。
代わりに僕がクーへ近づく。

(´・ω・`)「クー、意識はあるかい?」

川  - )「……一応は」

(´・ω・`)「そうか。今どうなってるか自覚しているかい?」

川  - )「義手、義足の一部破損。
      全身に感電による火傷。
      呼吸器官に異常。
      鼓膜の破損もあるな。
      他にもいろいろありそうだが、あとはスキャンして確認してくれ」

いや、意識がはっきりしてるか確認したかっただけなんだけど。
そこまで詳しく言われると……なんと言うか……ねぇ?

14 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:04:29.36 ID:4SVRL59Z0
('A`)「あれ?鼓膜破けて呼吸器官に異常あるのになんで聞いたり話したりできてんの?」

(´・ω・`)「振動を操るマニュアルを応用してるんだろ。
       まあ、今からパパッと治療するから。
       とりあえず服脱がすね」

川  - )「たのむ」

('A`;)「え?ちょっと待って」

??
どうしたのドクオ?
……ああ、そうか。

(´・ω・`)「手術をするから多少グロいかもしれない。背を向けてくれても構わないよ」

('A`;)「いや、グロなら蓮画で見慣れてるからいいけど……脱がすの?」

(´・ω・`)「??当たり前だろ」




('A`;)「ごめん、なんか場違いみたいだから上で酒飲んでるわ」

从;゚∀从 「待て」 (・ω・`;)

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:06:08.95 ID:ugfyZAIxO
支援

16 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:07:14.60 ID:4SVRL59Z0
部屋から出ようとするドクオの襟をハインが掴む。
「ぐぇっ」と聞こえたような気がするが、おそらく気のせいだ。

('A`;)「げほっ……何すんだよ?」

从;゚∀从「別に裸くらい見たって構わねえよ」

川  - )「キミが言うな。
      確かに不可抗力なら裸くらい見られても致し方ないが」

('A`;)「俺はウブなチェリーボーイなんだよ!
    例え背を向けてやりすごそうとしても、服を脱がす気配だけでもキツいんだよ!!
    貞子たんに呪いをかけられた方がまだマシなんだよ!!!」

从;゚∀从「ウブとかチェリーとか……んなこと気にしねえから。てか手前はここにいろ」

('A`;)「なんでさ?!人の目だったらクーがいるじゃねえか!!」

从;゚∀从「人の目は多い方がいいんだよ!!」



(´・ω・`)「……」

頑張れハイン。

17 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:10:29.07 ID:4SVRL59Z0
('A`)「ごほん!……えーと。もう一度確認するけどいいか?
    お前らは俺に残ってほしいの?」

(´・ω・`)「残ってほしいよ」

从 ゚∀从「残れ」

川  - )「『長いものに巻かれろ』思想で残ってほしいに1票」

('A`)「……そうか」



(;A;)「皆で俺を釣ろうって考えだな!
    そもそもこんなに大勢に俺が必要とされることなんてねーんだよ!!
    それくらい自覚してんだよバカヤロー!!!」

訳の分からないことを口走り、部屋を飛び出るドクオ。
鬼、悪魔、人でなし、という科白のおまけ付きで。
唖然とその姿を見送る僕とハイン。
1人だけ阿呆な光景に動じてない人がいたが。

川  - )「彼はL5発症者か?今度みてやれショボン」

こっちもこっちでとんちんかんな事を言っており、僕は頭が少し痛くなった。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:13:01.17 ID:sBo/Cgsv0
支援

19 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:13:51.06 ID:4SVRL59Z0
……
…………

その後、気を取り直してクーに治療を施した。
スキャンした結果、クーが話した以上の怪我は見つからなかった。
内臓に多少出血が見られたが、体内にあるプロテクトで電流をある程度カバーしてたおかげか、簡単に治療できるレベルだった。
手早く局部麻酔して手術を終わらせ、後は義手、義足を取り換えカプセルにぶち込む……まあいつもとあまり変わらない方法だ。

川  - )「……全とっかえかよ」

(´・ω・`)「『神罰』使ったんだからこれくらい普通だろ。
       どこか漏電してる可能性もあるんだし」

从 ゚∀从「……」


手術中に何が起こったかある程度クーに教えてもらった。

現在、僕は四肢の義手、義足を全て取り外し達磨状態のクーに新しい義手、義足を取り付けているところだ。
その作業中に僕の背中へハインの視線が突き刺さる。
それを無視して黙々と作業を続ける。

20 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:16:07.27 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「そんなんで治るのかよ?」

ハインが口を開く。
彼女が聞いてきたのなら僕にも答える義務がある。

(´・ω・`)「治るよ。
       このカプセルは治療専門の物だ。
       実際何度も試したから大丈夫だよ」

从 ゚∀从「……ハッ。何度も試した、ねえ?
      新しい被験体でも見つけたか?
      それともそこのサイボーグが被験体か?」

(´・ω・`)「……」


…………。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:16:07.93 ID:xfHsVvrjO
おぉ久々

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:17:53.17 ID:jundd4jQO
久しぶりだな

23 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:19:53.05 ID:4SVRL59Z0
僕が黙っていると、それを見かねたクーが口を出す。

川  - )「あー、1つ言っておくが。
      私とショボンは常に利用し合ってるんだよ。
      このカプセルはショボンの研究の成果を試すのと同時、私の怪我を治すのに都合がいいんだ。
      私は病院なんかに籠れる身じゃないからな」

つまり進んで被験体になったのだ、とクーは締めくくる。
別に擁護しなくてもいいのに。
でもまあ、利用し合ってるというのは間違いじゃないので訂正しない。
クーの情報を流して利益を得たり、逆に情報を操作してここにいる間は手出しできないようにしている。
クーもそれが分かっているから、ここに居座って敵の情報を得たりしている。

从 ゚∀从「……らしくねえな」

ぼそりとハインは呟く。ごもっとも。

(´・ω・`)「とりあえずカプセルに入れるから。
       義手、義足の肉付けが済んだらもう終わりだから。
       それまでゆっくりお休み」

川  - )「把握しt……っと、そうそう。ハインに言っておくことがある」

从 ゚∀从「……なんだ?」

川  - )「カプセルから出てショボンが地べたを舐めまわしてたら、今後お前を苛め続けるんでよろしく」

24 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:23:44.36 ID:4SVRL59Z0
宣言したとおり、クーをカプセルの中に入れて蓋を閉める。
カプセルの外にあるスイッチを押し、やがて内部を液体が満たす。
液体がクーの体を飲み込むのを確認してから、僕はハインに体を向ける。

(´・ω・`)「とりあえず小休止だ。
       電流で体中焼かれたから破損した細胞をナノマシンで取り除く必要がある。
       そのあとでHT酵素で治療するから結構時間かかるよ」

从 ゚∀从「……そうかい」

ナノマシンは細菌や癌細胞、傷ついた細胞を除去する点では大変いい働きをする。
しかし、健全な細胞と区別して除去するため時間がかかる。
クーがカプセルから出てくるのは大体……1時間半程度かな?

(´・ω・`)「これからどうする?」

从 ゚∀从「さっき逃げていった男は上で酒飲んでるんだっけ?」

(´・ω・`)「それっぽいことは言ってたね。呼んでくる?」

从 ゚∀从「酔っ払いはどんな状況においても足手まといだからいらん」

(´・ω・`)「そうか。なら」




(´・ω・`)「ちょっと話をしようか」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:24:03.16 ID:hvyFQZL60
支援

26 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:26:13.40 ID:4SVRL59Z0
ハインは無言で頷く。
とりあえず聞きたいことがあったので聞いてみた。

(´・ω・`)「君はこの3年間どうしてた?」

从 ゚∀从「研究所とか政府から逃げるために穴倉でひっそり隠れてたよ。
      最近になってクーをスカウトした。まあそれくらいだ。
      ……そういえば俺が来たとき驚いてたな。
      クーから聞いてなかったのか?」

(´・ω・`)「聞いてないよ。
       そもそも僕らは互いに利用し合ってる関係だ。
       教えたら不利になる情報をくれるほど彼女は手ぬるくないよ」

从 ゚∀从「そうか」

(´・ω・`)「……」
从 ゚∀从「……」

会話が途切れてしまった。
なんともいえない空気が場を占める。

…………。


な、何か話題を出さないと!


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:27:21.41 ID:9uUoaksYO
キタキタキタキタキター

28 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:29:07.83 ID:4SVRL59Z0
从;゚∀从「あ、えと……お前はどうなんよ?この3年間どうしてたんだ?」

ハインも気まずく思ったのか、僕に質問してきた。
正直ありがたい。
ありがたいので質問に答えた。

(´・ω・`)「……うん。
       研究所をやめてここで酒と情報を売ってるよ。
       それから細々と研究を続けてるね」

从 ゚∀从「何でやめた?」

(´・ω・`)「……まあ思うところがあってね」

从 ゚∀从「フーン」

また会話が途切れた。
僕も話題を提出しないとな。
いい加減、ハイン先生に怒られそうだ。
さて、いい話題ないかな?

从 ゚∀从「おいショボン。準備、できてるか?」


――――――それは悪い話題だよ。

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:31:09.87 ID:sBo/Cgsv0
支援

30 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:31:52.70 ID:4SVRL59Z0
過去のことを罵倒されるならまだいい。
例え僕が彼女に殺されることになっても罪滅ぼしということで諦めがつく。
しかし……その話題だけは出してほしくなかった。
一応とぼけてみる。

(´・ω・`)「準備、とは?」

从 ゚∀从「お前の下から離れるときに頼んだやつだよ。
      3年も待ったんだ、もう作ってあるんだろ?」

結果は無意味だった。
どうやっても話はそらせそうにもない。

从 ゚∀从「……おい。できてない、とか言わないよな?」

(;´・ω・)「……」



(;´‐ω‐)「……試作品はできてる。
       実際に試す機会がなかったから絶対効くとは言えないけど」

从*゚∀从「やるじゃん」

31 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:35:10.14 ID:4SVRL59Z0
僕の答えを聞き、ハインは満足したみたいでニヤニヤしている。
その表情を半ば諦めの心で見つめる。

3年前のあの日を思い出す。



……。
…………。


从*゚∀从「おい、覚悟はできてんだろーな?」

(´・ω・`)「覚悟、か。こんなことをしてたのだから罰を受ける覚悟はできてるさ」


从*゚∀从「ほーぉ?それはいい心がけだなオイ!!」

(´・ω・`)「ただ1つだけ未練があるんだ。だから君に託していい?」


从 ゚∀从「あぁん?」

(´・ω・`)「いままでの研究データを君に渡す。君が研究を引き継いで、ある人物を助けてほしいんだ」


从 ゚∀从「……なんでオレがそんなことをしなきゃならねえんだよ?」

(´・ω・`)「……」

32 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:38:22.53 ID:4SVRL59Z0
从*゚∀从「そもそもそんなことオレにできるはずないじゃん!
      まだ8歳ですからー!!w
      ……あれ?7歳だっけ?それとも9歳??」

どんなに贔屓目に見ても15〜6歳の少女は笑いながら僕を覗き込む。
馬乗りにされてる僕は薬で成長促進された少女を見上げる。
その時僕はどんな表情をしていたか?鏡で確認したわけではないので分からない。
無表情に徹していたつもりだが、おそらく上手くできてなかっただろう。
聖人君子やサイボーグならできるだろうが、生憎僕は泥にまみれた人間なのだ。

そのことを身を呈して教えてくれた少女がいた。
ただ、少女は狂ってしまった。

僕のせいで。

从*゚∀从「ねぇ?オレって何歳なの?
      っていうかオレってなんなの?
      頭吹っ飛ばしても死なない体ってことは、オレもしかしてトカゲ?火の鳥?それとも神様?
      だーれーかーおーしーえーてーよーぅwwwwww」


“幹細胞を用いた再生医療の実用化”の研究。
それが僕の研究内容だ。

幹細胞とは細胞分裂を経ても、同じ分化能を維持する細胞のことを指す。
つまり幹細胞は理論上、体を構成するすべての組織や臓器に分化誘導することができる。
この技術が確立されれば、免疫拒絶の無い臓器の作製などが可能……と考えられている。

ただしこの技術は昨今、実用化ができなかった。
著しい細胞の癌化、高度な機能と構造を持った組織や臓器レベルの再生は難しいetc……など問題点もあるからだ。

33 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:40:28.40 ID:4SVRL59Z0
簡単に説明すると『色々ありすぎて大変』なものなのだ。

それでもこの技術が確立すると、医療レベルは格段に上昇する。
だからこそ日夜、研究する価値のあるものなのだ。



……ここまでが研究の建前。
VIPはこの技術を『あわよくばvipperにも施して戦力向上させよう』とも考えていたらしい。
新しい技術を戦力に利用しようという考えは何とも人間らしい。
まあ、そんなこと僕には関係ないけどね。

そんなこんなで研究しまくって実用化するための理論が完成した。
あとは臨床実験で効果の確認だけだ。
そうしてそこらへんにいるストリートチルドレンを捕まえて、説得して、軽く切り傷をつけて、その傷を再生させるために臨床実験して……

結果は失敗。
切り傷は治った。
しかし癌化による異常なのか、どんな傷でも即再生する体になった。
不死身人間が誕生したというわけである。

そこから先は凄惨の一言に尽きる。
上はそれでもいいと思ったらしく(医療ではなく兵力としてのみ利用しようと考えたのだろう)、少女の性能を試すよう命令してきた。
僕は目的があってこの研究をしていたのであって、この度の失敗でクビにされるのが怖かったが……この命令で救われた気がした。

だから試した。徹底的に試した。
彼女の名前から取った幹細胞の分化誘導、制御をするHT酵素の取り出し。
薬物投与、筋力増強、成長促進、戦闘訓練。
あとは悪魔の所業といっても過言ではない様なテストを繰り返し行い……

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:42:40.67 ID:sBo/Cgsv0
支援

35 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:43:06.82 ID:4SVRL59Z0
……結果はこれだ。

从*゚∀从「フフィヒヒヒヒヒヒヘヘヘヘヘwwwwwwwwwww」


ひどく後悔した。
目的のためとはいえ、やってはいけないことをしたと思った。

子供が見る世界は小さい。
彼女の見る世界は僕の研究室くらいなものだろう。
……もし、その狭い世界で自分を食い物にする怪物と過ごさなければならないとしたら、果たして人間はどうなるだろうか?

(;´・ω・)「ハイン」

从*゚∀从「なんだよwwwwwww今笑うので忙しいんだから後にしろよwwwwwwwwwwwww」

(;´‐ω‐)「……ごめん」

从 ゚∀从「」


从 ∀从「ふざけろ」

ぴしゃりと言い放つ。ごもっとも。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 16:44:40.39 ID:e9kS0JlZO
うおー
ひさしぶりー
スランプ脱したのか

37 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:45:58.80 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「何が『ごめん』だよ。
      何が『ある人物を助けてほしいんだ』だよ。
      手前はそんな奴じゃねえだろうが」

(;´‐ω‐)「……」

从*゚∀从「まあいいや。
      どうせアタシにゃアンタしかいないんだ。
      ダルマだけにしておこうと思ったけど……決めた。
      口も縫っちゃお♪」

从*゚∀从「うん、そうしたほうがいい!
      うはwwwwみwなwぎwっwてwきwたwww」

一人称をめちゃくちゃにしてハインは僕の上で笑う。
現状、押し倒されて馬乗りにされてる状態ではなす術がない。
だから僕は答える。

( ´‐ω‐)「それが君の望みなら……好きにすればいい」

从*゚∀从「あっるぇ?未練があるとかいってなかったっけぇ?」

( ´‐ω‐)「どう考えても無理だろ。
       今の僕にはどうやっても君を抑えることができない。
       だから諦めた」

从 ゚∀从「……」

38 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:48:45.40 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「……望みならある」

(´・ω・`)「?」


从 ゚∀从「殺してくれ」

(;´・ω・)「!」


从 ゚∀从「もう痛いのも苦しいのも嫌だからさっくり殺してくれよー」

(;´‐ω‐)「…」

……。
……………………………。

(;´‐ω‐)「今すぐにはできない」

从 ゚∀从「いつかはできるんだ?」

(;´‐ω‐)「できるよ」


从*゚∀从「……そか」

39 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:52:29.21 ID:4SVRL59Z0
ハインは僕から離れる。

从 ゚∀从「それならオレを殺せるようになるまで待ってるわ」

(´・ω・`)「離れてくれたのはありがたいけど……疑わないんだね」


この場しのぎの嘘と思われても仕方がないと思ったんだけど。
僕を好き勝手に動かせたら、ハインから自由を奪う方法も出てくる。
だからこそ違和感を覚える。
ハインは言った。

从 ゚∀从「疑おうが疑わないだろうが関係ねえよ。
      どうせここ出るもん、オレ」

(´・ω・`)「出る?」

从 ゚∀从「もうここにいられるわけねえじゃん。
      今、ここから出なかったらビバ☆絶望人生なんだろ?」

(´・ω・`)「……まあね」

あくまで確認のための質問。
ならば嘘をついても仕方がない。正直に答える。
ハインはそれに満足したように頷き、言葉を続ける。

40 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:55:10.92 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「だからしばらく姿を眩ませるわ。
      そーゆーわけなんで次に会うまで俺を殺せるようにしとけよ。
      できなかったら一生オレの人形してもらうから」

期限が曖昧すぎるためなんとも言えないのが本音だが、努力はしよう。
黙って頷いた。

从*゚∀从「それまでオレの愛する鬼畜でいてくれよ、ショボン」

(´・ω・`)「……気をつけてね。ここの警備も優秀だから捕まらないようにね」

从 ∀从「だっから今更いい人ぶるなよ気色わりー……」



そうしてハインは脱走した。
脱走の件に関しては減給だけに留まったが、僕はそのまま研究所を辞めた。
あのままいたら、第二のハインを作らせられる気がしたからだ。
そして何より僕自身、ハインに罪悪感を感じてしまったからだ。
モルモットに感情移入してしまう奴はあの研究所から早々に立ち去った方がいいだろう。

41 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 16:58:25.88 ID:4SVRL59Z0
そうして月日は流れ今日までバーボンハウスで頑張ってきた。
やることはいろいろあった。

酒を売る。
独自の情報網を築き、そこから得た情報の売買。
利益の殆どを研究費に宛て、今までの研究の続行。
研究と並行して、ハインから頼まれた物の作成。
クーがバーボンハウスに来たため、実験の協力と情報の一部を頂戴する。
そのかわりの、クーに被害が出ないようにするための根回し。
後はハインの居場所の特定。


最後だけ上手くできなかったが、今となってはどうでもいいことだろう。
ハインが直接僕に会いにきたのだから。

…………………。
………。



     「で、どんなものを用意したんだ?」

(;´・ω・)「……?」

从#゚∀从「おーいそこの鬼畜野郎。呆けてるんじゃねえぞ……ったく」

(;´・ω・)「あ……ごめん」

42 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:01:13.94 ID:4SVRL59Z0
从*゚∀从「まあいいや。早くオレを殺してくれ。
      どんな方法でもいいからさっさとヤってくれ。
      善は急がなきゃならないんだしな!」

(;´・ω・)「……ねえ」

从 ゚∀从「ん?どうした?」

この自殺志願者はさぞ苦しんだことだろう。
その苦しみの大半は僕の手によって築きあげられたものだ。
だからこそこれを聞かずにはいられなかった。

(;´‐ω‐)「……」

深呼吸を1つ。
気持ちは落ち着かなかった。
それでも無理して冷静さを纏い言った。


(´・ω・`)「まだ死なないって選択肢はないのかい?」



……表情には出てないと思う。
疑問を投げかけられた相手からすぐさま答えを返してきた。


ふざけろ、と。


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:01:17.27 ID:e9kS0JlZO
しえん

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:03:26.16 ID:KmIYoapfO
wktk

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:04:27.02 ID:sBo/Cgsv0
支援

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:04:38.46 ID:BfwAHh/Y0
支援

47 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:06:04.21 ID:4SVRL59Z0













从 ∀从 〜赤頭巾7・後〜

48 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:08:57.23 ID:4SVRL59Z0
そいつの後についていったのは理由があった。

あたしはストリートチルドレンをしていた。
親はいなく、共に助け合う仲間がいたが、社会的に見て弱者だった。
ついでにいえば肉体的に見ても弱者だった……世間一般で言われている幼女なんてそんなものだ。

だからこそ夢を見たのかもしれない。

そいつは医学の発展のため、とか難しいことを言っていた。
平たく言えば人を救いたいらしい。そのことだけは理解できたと思う。
そしてその研究に付き合ってくれたら金も出すと言っていた。

あたしは思った。
人を助けることができるなんてなんて素晴らしいことだろう、と。
また、お金をもらえるなら仲間たちとの暮らしが多少裕福になるかもしれない、と。

だけどあたしは1つ見落としていた。
他人を信用してはいけない。
そんな路上を寝床にしてる者たちの鉄則を忘れたのも、夢を見たせいだと思う。
浮かれたあたしはホイホイついていってしまったわけだ。



今にして思う。
夢なんて見なければよかったと。

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:11:51.66 ID:BfwAHh/Y0
支援

50 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:13:15.81 ID:4SVRL59Z0
そこから先は……残念なことに記憶があやふやだ。
いや、不幸中の幸いとでも言った方がいいのだろうか?
幸いといっても砂粒程度のものだが。

よく分からないうちに不死身の体にされて。
よく分からないうちに体を弄繰り回されて。
よく分からないうちにテストと称した拷問が為されて。

その繰り返し。


幼少期に虐待されると多重人格者になるらしい。
あたしがそれにならなかったのは奇跡だと思う。
それが喜ぶべきことなのかどうかなんて知らないが。

ただ、そいつとの暮らしはあたしを精神的に追い詰めていった。
身も心も成熟してないガキにとっては、身体が傷つけば精神も同様に傷つく。
あまりの痛さに耐えられなくなってきて、そいつにそのことを告げると薬を打たれた。
幻聴と幻覚のオンパレードだった。その間も体を弄られたと思うがよく分からない。

51 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:16:24.34 ID:4SVRL59Z0
あたしは弱かった。
心も体も未熟だった。
だからはじめは強さを欲した。
どんなことにも挫けぬ強さを。

一人称が『あたし』から『俺』になった。
男言葉を使えば多少は強くなれると思ったからだ。
あたしにできることはあまりに少ない。
俺ならばできることの幅を広めることができると思う。

そうして俺は強くなった。
あくまでほんの少しなのだろうが、もう弱いままでいることができなかった。
痛みや苦しみを歯を食いしばって耐えられるようになった。
成長できたんだな、と実感した。


でもやっぱり俺は無知なガキだった。
痛みは蓄積されるということを知らなかった。
どんなに耐えても、日に日に痛みが鋭利なものになってゆく。

痛みに慣れるために自虐したこともある。
ボールペンで指を関節から引き千切るように何度も抉った。
喉にフォークを突き刺して呼吸ができないようにした。
そんなことをしてるとやっぱり薬のご登場。
霞を食んで生きてるみたいで気持ち悪い。

自虐しなくなった。

52 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:19:22.36 ID:4SVRL59Z0
あとはもう耐えるだけの日々。
ここまで来て大体分かってきた。
強くなるのでは駄目だ。
この状況を終わらせる何かがほしかった。
でも答えはなかなか見つからなかった。

オレにできることは限られている。
現実では弱者に変わりはない。
そこら辺の白いネズミといい勝負だ。
白衣の悪魔に弄られて捨てられる運命なんだ。
ならオレが捨てられるのはいつだろう?


そいつと過ごして分かったことが1つある。
おそらくオレは捨てられることはない。
そもそも不死身なのだ。実験し放題というもの。
それが分かればあとは簡単。

不死身じゃなくなればいいんだ。

どうすれば不死身じゃなくなるのかを考えた。
やはりオレを連れてきたそいつに頼るほかなかったのだが。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:19:58.51 ID:BfwAHh/Y0
支援

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:20:54.56 ID:sBo/Cgsv0
支援

55 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:22:34.18 ID:4SVRL59Z0
あとは計画を練るだけだ。
薬で脳ミソが宇宙旅行するので計画を練るのに時間がかかった。
それでも何とか練れた。
と言ってもガキの頭じゃ計画も稚拙なものにしかならなかったけどな。

簡単にいえば脅し。
オレを殺せる方法を見つけないと殺す、といえばそいつは頷かざるを得ないだろう。
次は逃亡。
脅しに成功しても研究所にいれば隔離されるだろうから逃げるしかなかった。

それを円滑に進めるためにあえて狂ったふりをする。
仮面を被るのには慣れている。
『アタシ』は『オレ』の仮面を被って今まで生活していたのだから。
……その仮面はもう外せなくなったけど。


そうして狂人の仮面を被り、そいつと交渉する。
結果は成功。
そしてオレは驚いた。
自身が思っていた以上に狂人の仮面を使いこなしてたことに。

おそらくこの仮面も外れなくなりそうだな、と漠然と思った。

56 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:24:42.09 ID:4SVRL59Z0
そうしてオレは研究所から脱走した。
警備その他がうざかったが、そこは今まで体を弄られた結果が表れていた。
簡単にいえば、オレは昔より強くなっていた。

そのままかつての仲間たちの巣へ向かう。
そして仲間の1人を発見し、声をかけようとして。


―――――しかし、声は出なかった。


分かっていた。
そもそも、どうしてこんなになるまで脱走を試みなかったのかを考えれば自明のこと。
オレは変わった。変わりすぎていた。
髪は白髪、肌も病人のように白く。
眼の下には真っ黒なクマが存在し、強靭で不死身の体を手にしている。

ここにあの時の少女はいない。
そしてオレには帰る場所もない。
ただそれだけだった。

かつての仲間を捕まえて、手持ちを幾らか押しつけてその場を去って。
人1人いない場所まで来て……少し泣いた。

57 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:27:24.66 ID:4SVRL59Z0
まあ、泣いてた時にジョルジュに見つかり保護してもらった。
1人もいないと思って泣いてたのに、見られた恥ずかしさからとりあえず50発殴っておいた。

どうやらオレはそれなりに有名みたいで、ジョルジュはオレの力を借りてVIPを変えたいみたいだ。
最初は彼を警戒したが、どうせ帰る場所もないので居座らせてもらった。
どうせあいつがオレを殺せるようになるまでかなりかかるだろうし、時間潰しの意味もある。

それからロマネスクを紹介させてもらったり、隠れ家にある本を読んだりして日々を過ごした。
で、サイボーグ女と出会い、仲間にして。
そしてその女からあいつの情報を聞き出し、訪問し。

オレとあいつは再会した。


久しぶりなので何を言えばいいか分からなくなってしまった。
だけど必要なことは聞けた。
オレを殺す準備はできているそうだ。
やるじゃん。
なら、もうサックリやってくれ。

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:27:55.27 ID:sBo/Cgsv0
支援

59 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:29:53.08 ID:4SVRL59Z0
なのに。
こいつは今、何と言った?
まだ死なないって選択肢はないのか、だって?
は、ははは。

从 ∀从「ふざけろ」

(;´・ω・)「……」

从#゚∀从「オレはなぁ、このためだけに今日を生きてきたんだよ。
       ひっそり隠れて暮し、研究所に連れ戻されないよう抵抗してきたんだよ。
       今更そんな選択肢なんざあるわけねえだろうが」

(;´‐ω‐)「……」

从#゚∀从「大体……手前はそんな善人じゃねえだろうが!
       やらない善よりやる偽善ってか?
       例え偽善でも手前にやられると反吐が出るんだよ!」

(;´‐ω‐)「……そうか」

だからそんな善人顔すんな。
お前がそんなんじゃ……駄目だろうが。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:30:50.53 ID:BfwAHh/Y0
しえん

61 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:32:38.15 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「……まあ。
      そんなわけだから早くオレを殺してくれよ」

(;´‐ω‐)「そんなに死にたいかい?」

从*゚∀从「もっちろん」

(;´‐ω‐)「そうか。なら残念だ」

从 ゚∀从「?」


(´・ω・`)「実は君を殺すものはなんにも用意してないんだよ」


从 ゚∀从「……」




从;゚∀从「………………………はぁ?」






62 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:34:59.88 ID:4SVRL59Z0
从;゚∀从「ちょ、待て手前。さっき準備してるとかなんとか言ってなかったか?!」

(´・ω・`)「不死身体質を治す薬なら開発したよ。
       さっきも言ったことだけど実際に使うことがなかったから絶対効くとは言えな…」

从#゚∀从「んなことはどうでもいい!!」

从;゚∀从「おいおいおいおい、まさか俺がいない間作ってた物ってその薬なのか?」

(´・ω・`)「当たり前のことを聞くなよ」

从#゚∀从「……」

………………。


从 ∀从「遺言はあるか?」

(;´‐ω‐)「……クーに、後のことは頼むとだけ伝えといて」

从 ∀从「把握した」

ナイフを抜く。
何に使うか説明する必要もない。

从 ∀从「そうだな……つま先からソルベ切りってのはどうだ?」

(;´‐ω‐)「悪趣味だね」

63 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:37:52.33 ID:4SVRL59Z0
从 ∀从「そかそか、喜んでもらえて何よりだ。
      よーし、今夜は簡単に寝かせないぞーぅ☆」

(;´‐ω‐)「……僕個人としては育つべきところを育てて出直してほしいものだね」

从 ∀从「うるせーよ。胸のことはほっとけよ鬼畜が」


     『というか2人ともうるさい』


从;゚∀从 「!!」 (・ω・`;)

今の声はクーか?
でもカプセルの中に入っておいて声を出せる状況じゃないだろ。
どうやって話したんだ?
オレたちの視線はクーに向けられた。

川  - )

     『いや、こっちみんな。今、全裸なんだ。ぶっちゃけハズい』

从;゚∀从「?」

声は確かにクーだった。
クーだったのだけど、声は別の方から聞こえる。
どこからだ?

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:38:29.21 ID:e9kS0JlZO
あれ?
不死なおしたら死ねるんじゃね?
しえん

65 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:40:20.19 ID:4SVRL59Z0
(´・ω・`)「本当に君は出鱈目だね」

     『ハッキングくらい朝飯前だ』

从;゚∀从「……あー」


なるほどね。
カプセルに繋いでるパソコンのスピーカーから声が出てるわけか。
本当に出鱈目だなこいつ。

(´・ω・`)「しかしパソコンにハッキングしてまで話すことが『うるさい』ね。なんというか……」

     『それが私だからな、気にするな。……ところでハイン。ちょっとショボンと話がしたいから席を外してくれないか?』

从#゚∀从「……お前空気読めよ」

     『だが断る。まあ、私の頼みが聞けない様であるならば仕方がない。
      そのときは浴室でとても楽しいことが待ってるから覚悟しとけ』

从;゚∀从「げ」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:40:20.40 ID:BfwAHh/Y0
支援

67 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:42:37.25 ID:4SVRL59Z0
それは嫌だ。
以前、浴室で拷問プレイを受けたのは記憶に新しい。
水周りで電気を使われたら軽くやばい。
オレ的には光の速さでケツからうんこ出すくらいやばい。

     『とりあえず上でドクオの相手でもしてろ』

はいはい分かりましたよクソッタレ。
……なんか釈然としないが黙って部屋を出る。


地下室を出て、階段を昇る。
さてと、酒でも飲んであの貧相顔に絡むか。
と、

从 ゚∀从「ん?」

ふと気になった。
あいつら何の話をするんだ?

从 ゚∀从「……」

気になりだしたら止まらない。
そういえば、思う。
オレがいないときにあいつらはどんな事をしているのか知らない。

从*゚∀从「盗み聞きしてもいいよな?」

68 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:45:48.16 ID:4SVRL59Z0
途中まで昇っていた階段を再び降り、地下室のドアに貼りつく。
2人分の話し声が聞こえた。
ほんの少し、2人に気づかれないようにドアを開ける。

从 ゚∀从「……」



……
…………。


(´・ω・`)「で、話ってなんだい?」

     『話なんてないさ。ただ単にハインに頭を冷やしてもらうための口実だよ』

(´・ω・`)「やれやれ……まあ、でも助かったよ。ありがとう」





69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:47:40.47 ID:e9kS0JlZO
ドクオひとりぼっちw

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:47:57.08 ID:BfwAHh/Y0
しえん

71 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:48:40.58 ID:4SVRL59Z0
从#゚∀从「……」

……へぇ。
まあ、オレを止めてくれたのはありがたい。
頭に血がのぼりやすい性質だからな。
ありがたいはずなのに、しかし今現在、頭に血がのぼるのはどうしてだろうな?



……
…………。


     『それじゃあ寝るよ。それとすまない。やっぱりハインを連れてくるべきじゃなかった』

(´・ω・`)「気にしないよ。ところでもう少し話す時間、ある?」

     『…………?こんな状態だからあるにはあるが、どうした?』

(´・ω・`)「ちょっと僕の愚痴に付き合ってくれない?」

     『……いいぞ。連れてきた責任もあることだしな』


(´・ω・`)「ありがとう」

72 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:51:29.86 ID:4SVRL59Z0
(´・ω・`)「ねえ、君は僕のしたことについてどう思う?」

     『そうだな。
      今日のことだけを評価するなら、“もっと冷静に事を運べ”。
      研究所から今日までのことを評価するなら、“厄介な奴を生み出してくれたな”ってのが本音だ』

(´・ω・`)「……僕もそう思うよ。
       目的のために頑張ったとはいえ失敗ばかりでやんなってきちゃったよ」

     『君の目的、ね。聞いてもいいか?』

(´・ω・`)「……。
       ヒートを知ってるよね。
       今はそれなりの生活を送れるんだけど、以前はとても貧乏だったんだよ」

(´・ω・`)「ヒートが幼い頃に父親は過労で、母親は病で他界。
       彼女は仕事を探したんだけど、年が年だったからお金を稼げるところなんてなかった。
       一緒に住もうと誘ってみても頑なに拒否してね、この先どう生きるか僕らは本当に心配したんだ。
       そんなある日、ヒートはついにお金を稼ぐ方法を見つけたんだ」

     『どんな方法だ?』


(´‐ω‐`)「……ハインと同じさ」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:54:07.75 ID:BfwAHh/Y0
しえん

74 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:55:34.53 ID:4SVRL59Z0
     『実験体か』

(´‐ω‐`)「うん。なんでも人工臓器が正常に機能するかを確かめる実験だったらしい。
       そして彼女は脳を除く全ての臓器を切り取られ、新しい金属製の臓器を移植した。
       切り取られたものは臓器売買に流す。馬鹿げてるだろう?
       実験体の報酬と売り払った臓器のお金で、僅かばかり明日を楽に生きられるようになったんだ」

     『……実験は成功したのか?』

(´‐ω‐`)「どちらとも言えないね。
       普通に生活できるけど定期的なメンテナンスが必要で、今も研究所に通ってる。
       そしてたまに機械仕掛けの臓器が調子を狂わす。爆弾仕掛けの体なんだよ」


(´・ω・`)「だから僕は」


(´・ω・`)「僕は思ったわけだよ。
       彼女に臓器がないなら臓器を作ればいいじゃないか、ってね。
       臓器移植はお金がかかる。僕らが治療費を出すとヒートと研究機関が拒絶する。適合する臓器を入手できるかどうかも分からない。
       だから実験体として呼べば…」

     『ヒートも受け入れると考えた。ヒートを治すためじゃなく、あくまで実験のためという建前があるから、か。
      研究も実験して事実を作れば口出しされてもなんとかなるからな』

(´‐ω‐`)「うん。
       正直言うとね、僕はドクオとヒートがいればそれでよかったんだ。
       VIPは弱者に厳しく、僕が守れるものは少ししかない。
       身の程を弁えてたさ。だから、ハインを巻き込んだ」

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 17:57:23.64 ID:BfwAHh/Y0
支援

76 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 17:57:57.00 ID:4SVRL59Z0
(´‐ω‐`)「どうせ路上にいる子供の1人だ。
       実験に失敗したけど使えるまで使って後は捨てればいい」

     『でもハインを想う心は捨てきれなかったわけか』

(´・ω・`)「……まあね。
       ハインと過ごすうちに考えが変わったみたいなんだ。
       研究所ではいつも一緒だったからね。
       精神的にも子供だったからハインの考えなんてすぐ読めるんだ」

     『……読みやすいのは確かだな』

(´‐ω‐`)「ハインは子供ゆえに弱かった。
       だから精一杯強がってた。
       必死になって男言葉を使い、そして狂っていってしまった。
       でも僕は最後まで……ハインが脱走するまで見て見ぬふりをした」

     『研究を途中で頓挫させたくなかったからか?』

(´‐ω‐`)「そうだよ。
       ヒートを救いたいがためにね。
       そのためにハインを犠牲にし続けた。
       結果、今日ハインに殺されそうになったわけだ」



(´‐ω‐`)「いつも失敗ばかりだよ。
       少し……疲れたよ」

77 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:00:23.50 ID:4SVRL59Z0
ショボンはその言葉を最後に黙る。
それをドアの影から今の会話をばっちり聞いてるオレ。
ふぅん、ショボンも大変だなー。

从 ∀从「……」


……聞かなきゃよかった。
おかげで頭でお湯が沸かせそうなくらい血がのぼった。
なんだよそれ、手前何言ってるんだよ?
手前がそんなんでどうするんだよ?
オレの愛する鬼畜でいてくれって手前に言ったはずだぞ?
手前がそんな腑抜けでどうすんだよ?!



     『……少し私の人生観でも語っておくよ』


从 ∀从「……」

クーの声が聞こえた。
聞き耳を立てる。

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:02:55.84 ID:e9kS0JlZO
大変だなー。
って、ハインかわいいなw

79 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:03:05.99 ID:4SVRL59Z0
……
…………。



(´‐ω‐`)「愚痴を聞いてもらいたかっただけだから。もう話し終えたし寝てもいいよ?」

     『話を聞いてたら目が冴えてきてしまったんだ。まあ聞け。
      世の中不条理なことが多い。
      だから疲れもする。
      そんなときはこう考えれば楽になれるぞ』

(´・ω・`)「……」


     『人生なんてそんなものだ、とな』


(´‐ω‐`)「……駄目じゃん」

     『駄目じゃないぞ。
      不条理だらけの人生なら疲れるのは仕方がない。
      だからそこは問題じゃないんだ。
      問題とするべきは“自身が決めた目的を達成するか否か”だ』

(´‐ω‐`)「……結果論ね」

80 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:05:36.17 ID:4SVRL59Z0
     『疲れたからここは引く。
      悪いことじゃない。
      一言で目的と言っても、その価値は大小様々だ』

(´‐ω‐`)「もう、いいよ」

     『だがその目的の価値が最上級なら話は別だ。
      その時ばかりは引いてはいけない。
      例えどのようなことをしても達成しなければならない。
      そんなに自分が嫌なら、その安い命くらい懸けてみろ』

(´‐ω‐`)「もういいと言ったのが聞こえなかった?」

     『断る。
      最上級の目的があるとすれば人生を嘆くよりすることがあるだろう?
      疲れたからなんだ。あれこれ言う他者ななんて無視しろ。半端を許すな』

(´‐ω‐`)「その結果、半端な君が生まれ落ちたのは面白い冗談だね」

     『それを言われるとキツいが……その通りだ。
      だから私の真似をしろとは言わない。
      参考程度に留めておいてくれ』

(´‐ω‐`)「参考にもならないよ」

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:07:06.74 ID:BfwAHh/Y0
支援

82 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:07:53.12 ID:4SVRL59Z0
(´‐ω‐`)「君と違って僕は弱いんだ。
       どんなに頑張っても、最上級の目的を達成できるとは限らないことを知ってる。
       身の程は弁えてるさ」

     『ショボン、キミは』

(´ ω `)「自分が屑だということも理解している。
        屑の身分で救いたい人間が2人いるってのが愚かしいことだということも知ってる。
        それでも黙って見過ごすのは耐えられないから足掻くしかないんだ。
        結果なんて知れてるのにね」

     『…………』

(´ ゚ω゚ `)「この苦しみが分かるかい?
       分からないだろうね。
       所詮は弱者の戯言だ、強者に分かる筈がない。
       地獄という場所があるならこの世がまさにそうだ。
       どうしようもない痛みに晒されて止む気配がない。
       こんな所で僕にどうすればいいんだよ!!」


……
…………。

从;゚∀从「……ウワァ」

83 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:10:04.00 ID:4SVRL59Z0
あちらがヒートアップしたおかげでオレの頭はクールダウンしてた。
いつものどこかとぼけた表情が消え失せてる。

あんなショボンは初めて見たな。

     『顔が気持ち悪いから落ち着け』


クーの声が響く。
おっと聞き耳聞き耳。

……
…………。


     『あのな。
      ショボン、キミは1つ勘違いしている。
      私は強いかどうか分からないが少なくとも力がない』

(´ ω `)「どの口が言っているのやら」

     『定義はまちまちだが、力とは“望みを叶えるのに必要なもの”だと私は考えている。
      私にも頭を悩ます問題がある。
      同化してから発生した問題だ。分かるだろう?
      いつまでもダラダラとそれを引きずってる奴に力があると思うか?』

(´ ω `)「…………」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:11:32.65 ID:e9kS0JlZO
ウワァ…じゃねーよ
しえん

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:11:48.30 ID:bqyHvGVF0
支援

86 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:12:48.86 ID:4SVRL59Z0
     『確かにこの世は地獄と同じだろうな。
      どんなに頑張ってもどうしようもないことだってある。
      だからといって救われる可能性がないとは思わない』

(´ ω `)「何でそう考えるんだい?」

     『ただの願望だ。
      諦めたらそこで試合終了って言うじゃないか』

(´ ω `)「諦めなかったらいい結果を残せるとでも?」

     『そんなの知らんよ。
      実践して確かめればいい……ちなみに私も今、実践中だ。
      まあそんなわけだからキミもめげずに今まで通り頑張ればいい。
      だが、もし結果も見ずに諦めるのなら仕方がない。
      君にこの言葉を贈ろう。……“去勢して名実ともに玉無しとして隠居しろ”』


(´ ω `)「つまり今まで通り苦しめと?」


(´・ω・`)「……相変わらず君は手厳しい」

     『なに、人生なんてそんなものだ。
      それと手厳しい言葉を相手に送るのが私だ、今更変える気もない』

(´・ω・`)「まあ、おかげで気が楽になった。
       コテンパンにやられて逆に清々しいよ」

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:14:57.94 ID:e9kS0JlZO
しえん

88 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:17:02.69 ID:4SVRL59Z0
     『そう褒めるな。
      あと1つ言いたいことがある。
      ヒートの問題の詳細はほとんど分からないから何とも言えない。
      でも、ハインの件なら心配いらないと思うぞ』

(´・ω・`)「……殺されそうになって心配いらないと言う理由を教えてもらいたいね」

     『簡単だ。
      ショボンもハインもまだこの世にいる。
      あとはハインが心変わりすればいいだけなんだから』

(;´・ω・)「それが難しいんじゃないか」

     『キミは言ったはずだぞ。
      “ハインは子供ゆえに弱かった。
       だから精一杯強がってた。
       必死になって男言葉を使い、そして狂っていってしまった。”ってな』

(;´・ω・)「それが?」

     『それはハインの過去のことを言ったのだろう?
      だけどな、それは今日のハインとどう違う?
      ハインは男言葉を使い、狂人のようにキミに迫っていた。
      で、私は思ったんだ』

(´・ω・`)「何を?」

89 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:19:24.14 ID:4SVRL59Z0
     『どんな生き物にせよ子供は成長しやすいものだ。
      何年も会わなかった彼女が過去と変わらずにいるのはあり得ない。
      つまり……』

(´・ω・`)「つまり?」

     『ハインは演じてると思う』

(´・ω・`)「……なんでさ?」

     『それは本人に聞け。なあハイン』


……
…………。

从;゚∀从「っ」

気づいてやがったのかよ。
オレの存在にも。
オレの演技にも。

今更逃げても遅いだろう。
逃げられるのなら逃げたいのだけどなあ。
……畜生、クーめ。

ドアを開ける。

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:20:59.48 ID:e9kS0JlZO
しえん

91 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:22:22.49 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「ここにいるっていつから気づいてたんだ?」

     『キミが部屋を出てからマニュアル使って気配を探ってた。まあ一応警戒してたってことだ』

从;゚∀从「……最初からかよ」

(´・ω・`)「ハイン、君は」

从;゚∀从「あーあー、もう答えてやるよクソッタレどもが!!」

溜息を吐く。
仮面を無理やり剥がして話してやることにする。
久々のすっぴんだから上手く話せるか分からないが。

从 ゚∀从「強がってたのは本当だ。
      お前らも言ってたが、オレもこの世はまさに地獄だと思ってる。
      だから必死で仮面をつけて演じてた」

(´・ω・`)「……」
     『……』

从 ゚∀从「オレは弱いからな。
      強がってなきゃやってられなかったんだ。
      演じてなきゃアタシがつぶされると思ってたんだ」

92 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:25:47.48 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「ショボンがアタシの不死身体質を治す薬を作ってくれたのは正直言ってありがたい。
      だけど憎いっていうのも正直な気持ちだ。
      どうしてアタシをこの地獄に縛りつけようとするのかってな」

从 ∀从「それ以前にそんな偽善で満足するショボンを想像するとムカついた。
      どうして今頃優しくしてくれるんだよ……そんなこと、されたら」

頭が痛い。
声が思うように出ない。
目の奥から熱が噴き出す。

从 ;∀从「そんなことされたら、何のためにアタシは……強がってたか、分からなくなる……だろうが。
      男言葉を使って狂ったふりをしてた。
      オレが徹底的にないがしろにしたアタシに……優しくすんなよ……」


……結局上手く喋れなかった。
頭の中は空っぽのくせに言葉も涙も止まらない。
ずっと昔、ハインは子供のアタシじゃなく狂人のオレになった。
そうして研究所にいたころからずっとオレで過ごしてきた。
オレは弱いが、アタシよりは強い。
だからアタシをオレの仮面で隠してきた。

仮面は頑丈になっていったが、素顔は脆いままだ。
それゆえ涙が止まらないのも心のどこかで納得していた。

(´・ω・`)「……ハイン」

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:26:13.59 ID:bqyHvGVF0
支援

94 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:28:24.84 ID:4SVRL59Z0
ショボンがアタシの方に近づいた来た。
そのままアタシの頭を抱き寄せた。
特に抵抗しなかった。

(´・ω・`)「ごめん。
       身勝手だけど僕はハインへの姿勢を変えないよ。
       僕はもう駄目なんだ。
       もう……知り合いが苦しむ姿を見るのは耐えられないんだ」

从 ∀从「……サイテーだな」

(´・ω・`)「自覚してる。
       でも覚えてる?僕は君の言いつけを守っただけなんだよ」

記憶にない。
そんなこと本当に言ったのだろうか?

(´・ω・`)「“オレの愛する鬼畜でいてくれよ”
       こう言われたから君が一番嫌いそうなことをやってみたんだよ。
       もっとも僕もつらかったからこんなことをやったんだけど」

……そんなこと、確かに言ったな。
成程、手前は鬼畜だ。
本当は自分がそうしたかっただけなのに、わざわざオレの言葉を理由に組み込むところが特に気に食わない。

95 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:30:45.73 ID:4SVRL59Z0
(´・ω・`)「……もう強がるのはよそう。
       君は弱い。そして僕も弱い。
       だから君と傷を舐め合いたいんだ。
       別に僕のことを信用してくれなくていい。殺してくれても構わない。
       君に殺されるのなら諦めもつく」

ああ、殺してやるよ。
手前はオレを怒らせた。
それだけで十分だ。DIO様も真っ青になるくらいボッコボコにしてやんよ。

(´・ω・`)「でもね、ただ1つお願いがあるんだ。
       できれば、でいいけど僕がこれからやることに付き合ってくれないか?
       もしかしたら君の人生に希望を生み出せるかもしれない」

短いながらもそれなりに生きてきたが……絶望だらけの人生だった。
そして、そんな人生に突き落としてくれたのがこの男だった。
この男が言う希望とやらにどれほどの価値があるだろうか。

嘘に決まってる。
オレはこの男が憎い。
ここまで虚言を吐ける男を許してはいけない。

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:31:49.28 ID:e9kS0JlZO
しえん

97 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:33:35.54 ID:4SVRL59Z0
ゆっくり、ナイフに触れる。
オレとの約束を破り、甘い言葉で誘惑しようとした。
それだけで万死に値する。もう遠慮しない。
じゃあな、ショボン。

从 ∀从「……」

(;´・ω・)「……ハイン」


ショボンの背中に手を回す。
ナイフは……握れなかった。


从 ∀从「しばらく……このままでいてくれ」

ショボンは何も言わない。
顔を見られたくないと分かったのだろうか。
アタシだって一応女をしてるんだ、すっぴんを見られたら恥ずかしく思うさ。

だってしょうがないだろ?
気づいてしまったんだから、ナイフを握れるわけないだろ?


もう仮面が使えなくなったんだから。


だからすっぴんでショボンの胸に顔を押し付ける。
目から汁が出ても見られなければ問題ない……よな?

98 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:35:52.56 ID:4SVRL59Z0
从 ∀从「……しょうがねえから……お前に付き合ってやるよ」

それだけしか言えなかった。
それだけでも十分だった。
ショボンの驚きが伝わる。
後はもう何もできない。
落ち着くまでこのままでいよう。




(´ ω `)「……クー。君が言ってたことはこういうことかい?」

     『何が?』

(´ ω `)「ハインは心配いらないって言ってたじゃないか。
       その理由をまだ聞いてなかったからね」


     『そういえば長ったらしい前置きだけ話して結論を言ってなかったな。……簡単なことだ』




99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:37:47.40 ID:e9kS0JlZO
うです

100 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:38:42.58 ID:4SVRL59Z0
     『演技をするということは嘘をつくこと。
      そして嘘とはつき続けると錆びて脆くなるもので、いつかは壊れる。
      だから心変わりする。後は心をこめて説得すればどうとでもなるだろ?』


(´ ω `)「……最後らへんは見立て、甘くない?」

     『人間なんてそんなものさ』

(´ ω `)「そう」

     『とは言え、再開したばかりで説得成功とはキミもなかなかテクニシャンだな』

(´ ω `)「そう」

     『よかったな2人とも。私は喜んで今日の出来事を祝福するよ』

(´ ω `)「そう」



     『…………あー』



101 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:41:32.82 ID:4SVRL59Z0
     『……ではお邪魔虫は寝ることにするよ。
      あと1つためになるアドバイスをしておこう。
      感涙するのは勝手だがドクオに会う前に顔を洗っとけよ、2人とも』


从 ∀从「……うっせえ早く寝ろ」























102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:43:24.80 ID:e9kS0JlZO
しえん

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:44:12.07 ID:BfwAHh/Y0
支援

104 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:50:30.10 ID:4SVRL59Z0
これで長ったらしい後半7話終わりです
とりあえず質問に答えます

>>36
脱してません

>>64
ハインの心は
「ショボンが気に食わない、信用できない、もう苦しいのは嫌だ」
等ありますが、これらを簡単にまとめて言うと

ハインは馬鹿です

つまり不死を治した後のことなんて考えてませんでした
ちなみにそのへんを示す文章は削りました。
今回やたら地の文が多いんで。超ごめん


105 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:52:08.87 ID:4SVRL59Z0
ちょっとトイレ休憩挟んでから次投下します

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:52:18.03 ID:TEOnTy/KO


107 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:55:21.51 ID:4SVRL59Z0




狼は今日も1人




赤頭巾の姿をした自分を抱き、泣いてました








  _
( ゚∀゚) 〜赤頭巾8〜

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:55:39.70 ID:e9kS0JlZO


なんか今回、いろんな意味で一山越えた感あったよ
これは書くの大変だわ

ところでドクオは店番?

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:57:00.53 ID:e9kS0JlZO
なんと!

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:57:25.12 ID:9uUoaksYO
……連…続……だ…と………

111 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 18:58:42.31 ID:4SVRL59Z0
  _
(;゚∀゚)「あ……ありのまま起こった事を話すぜ!
     『俺はバーボンハウスで情報貰おうと思ったらいつのまにかハインがツンデレ化してた』
     な……何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…。
     頭がどうにかなりそうだった…。
     ラブだとか萌えだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
     もっと恐ろしいスィーツ(笑)の片鱗を味わったぜ…」

从#゚∀从「黙れそしてオレはツンデレ化してねえよクソ良純」
  _
(#゚∀゚)「良純言うな、クソパンダ」

从#゚∀从「あ゛ぁ?」

川 ゚ -゚)「はいストップ。これ以上言い争うなら実力行使で黙らせるぞ」
  _
(;゚∀゚)从;゚∀从「「ごめんなさい」」



(´・ω・`)「……賑やかだなぁ」



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 18:59:07.57 ID:BfwAHh/Y0
はりきってるなぁ
支援

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:00:26.22 ID:xfHsVvrjO
うほっ!支援…

114 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:01:36.46 ID:4SVRL59Z0
酒と情報を売る店、バーボンハウス。
普段、お客様がほとんど来ないような寂れた店は、今日だけ活気に満ちていた。
活気の大部分は俺とハインだが。

(´・ω・`)「で、調子はどう?」

从 ゚∀从「ばっちりだ。もう体のどこにも違和感感じないぞ」

(´・ω・`)「それはいいことだ。これならもう診断はいらないね」
  _
( ゚∀゚)「じゃあもう退院しても大丈夫なんだな?」

(´・ω・`)「厳密には退院じゃないんだけどね」
  _
(;゚∀゚)「ツッコまないで、悲しくなるから!」

从*゚∀从「ぶぁーかぶぁーか糞・眉・毛wwww」
  _
(#゚∀゚)「煽らないで、ムカつくから!」

俺らがバーボンハウスに大集合してるのには訳がある。
クーがハインを連れてバーボンハウスへ行った日。
俺はいつまでも2人が帰ってこなかったので、ショボンに事情を聞きに行った。
バーボンハウスにクーとハインはいないと思ってた。最悪の事態を想定していたからだ。
そんなわけでショボンへ情報を貰いに行って……

クーとハインがくつろいでたのを見たとき、思わず殺気立ってしまった。
俺、これでもお前らのこと心配したんだぞ。

115 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:04:34.37 ID:4SVRL59Z0
すぐさま事情聴取。
そして、クーは大怪我のための治療、ハインは不死身体質を治すための薬を打ったことを聞いた。
クーの治療はもう終わってた。あとは療養が必要らしい。
ハインの方は薬を打ったらしいが、薬の効果を見るためにしばらくの間、ショボンの診察が必要とのこと。
2人が帰ってこなかったのはそういうことだ。

そして俺たちはしばらくバーボンハウスに泊まることを結論に出した。

理由の1つはハインに無茶をさせないようショボンに言われたから。
2つ目はvipperが目を光らせてる今、足手まといのハインを連れて移動するのは危険だから。
それならいっそバーボンハウスから出ない方がいい。

とハインが一生懸命説明してた。
俺とクーはその意見にしぶしぶ同意した形だ。
言いたいことは山ほどあるが一応理も叶ってるしな。

それから数日経ち、退院(それ以外どういえばいいか分からん)の日が今日というわけ。

川 ゚ -゚)「ところでショボン。ハインの体は今どうなってるんだ?」

(´・ω・`)「軽い傷ならすぐ治るから再生能力がなくなったわけではないね。
       ただ、すぐ、というのは一般人と対比しての物言いだから……」

川 ゚ -゚)「再生能力がなくなったわけではないが、薬の効果はあったということか?」

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:05:24.66 ID:PSs1tqEt0
ししええんん

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:05:59.76 ID:BfwAHh/Y0
支援

118 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:06:59.14 ID:4SVRL59Z0
(´・ω・`)「うん。
       以前のハインと比べると再生の速度は遅くなってる。
       今のハインは大抵の怪我を治せるけど致命傷を負うと死ぬ……と思う。
       とりあえず薬は完璧じゃないから研究の余地ありだね」

川 ゚ -゚)「まあ、それくらいでいいんじゃないか?やりすぎて普通の細胞を死滅させても困りものだし」

(;´・ω・)「怖いこと言わないで」

(´・ω・`)「ごほん……まあそんなわけだからあまり無理しないでねハイン」

从*゚∀从「……うん」


  _
(*゚∀゚)「『……うん』」
  _
(*゚∀゚)「ってなんだよwwwwwwwwwww
     お前キャラ変わりすぎだろwwwwwwwwwwwwwwwはらいてwwwwwwwwwww」

从# ∀从



川 ゚ -゚)「……ショボン、私たちは少し席を外しとこうか」

(;´・ω・)「……そのほうがいいみたいだね」

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:07:28.93 ID:PSs1tqEt0
ししええんん

120 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:09:48.93 ID:4SVRL59Z0
……
…………。

……………………………あれ?

なんかいつの間にか寝てたみたいだ。しかも床で。
変なところで寝てたから頭が妙に痛い。
まるで殴られたみたいに痛い。
そういえばどうして俺はこんなところで寝てたんだ?
  _
( ゚∀゚)「……」

まあいいや。どうせたいした理由なんてないだろう。

从 ゚∀从「お?ジョルジュが起きたぞ」

川 ゚ -゚)「ん。ならそろそろ行くか。
     ショボン、世話になった。
     何かあったらまた頼む」

(´・ω・`)「何もないことを祈ってるよ。またね」

从 ゚∀从「今度来るときまでにいい薬作っとけよ。
      作らなければあんなことやこんなことするからなー」

(´・ω・`)「あんなこと、こんなことが何を指すか分からないんだけど……。
      まあ、なんだか怖そうだから頑張ってみるよ」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:10:20.94 ID:PSs1tqEt0
ししええんん

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:10:29.83 ID:hvyFQZL60
支援

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:11:13.12 ID:BfwAHh/Y0
支援

124 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:12:15.34 ID:4SVRL59Z0
  _
( ゚∀゚)「……あれ?」

川 ゚ -゚)「キミはいつまで呆けてるつもりだ?
     隠れ家に帰るんだろ」
  _
( ゚∀゚)「ああ!そうだったそうだった!!」

急いで起き上がりショボンに向き合う。
ハインが世話になったんだ。
保護者としてお礼くらい言わないとな。
  _
( ゚∀゚)「ありがとな!
     ほんっとありがとな!」

(;´・ω・)「う、うん」

从 ゚∀从「もうちょい気の利いたこと言えよゲジマユ。
      あとショボンがお前の勢いに引いてるからちょっと離れろ馬鹿」
  _
( ゚∀゚)「へー、ショボンのことになると一生懸命だねー」

川 ゚ -゚)「私もハインと同意見なんだが」
  _
( ゚∀゚)「……なあショボン。俺うざい?」

(;´・ω・)「ごめん。黙秘権を行使させてもらうよ」
  _
( ゚∀゚)「……」

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:13:07.60 ID:PSs1tqEt0
ししええんん

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:13:28.25 ID:9uUoaksYO
支援

127 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:15:37.79 ID:4SVRL59Z0
川 ゚ -゚)「いいから早く来い。
     ショボンだって疲れてるんだ」
  _
( ゚∀゚)「はいはい、どーせ俺はうざ男ですよー」

从 ゚∀从「じゃあな、ショボン」

(´・ω・`)「3人とも気をつけてね」
  _
( ゚∀゚)「うぃ」

川 ゚ -゚)「把握した」


ショボンに別れの挨拶をしてバーボンハウスを出る。
しかし外は危険でいっぱいなため、クーに感知系のマニュアルを使ってもらってる。
俺も周囲に警戒しながら並んで歩く。
  _
( ゚∋゚)「どんな感じだ?」

川 ゚ -゚)「ん。
     ツーマンセルで3組ほどに見張られてるな。
     問題ないよ」

从;゚∀从「そこは問題ありだろ……」

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:15:58.74 ID:PSs1tqEt0
ししええんん

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:16:44.64 ID:BfwAHh/Y0
ジョルジュww

130 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:18:22.00 ID:4SVRL59Z0
川 ゚ -゚)「いや、まったくと言っていいくらい問題ないよ。
     だってどうせ殺すんだから」
  _
( ゚∋゚)「場所は?」

俺は懐から銃を抜きながら、感覚を研ぎ澄ましていく。
クーも同じく銃を抜く。
しばらくバーボンハウスにいたから狙いをつけられたのだろう。
場所を把握してないから正確な事を言えないがおそらく……狙撃もありうる。


……っていうか。
  _
(;゚∋゚)「早く場所いえよ!」

一応命の危機なのだ、のんびりしてられない。
にもかかわらず、クーはなかなか続きを話そうとしない。
苛立ちを隠せなくなったころにようやく一言。

川 ゚ -゚)「どうせ殺すから場所なんて教えなくともいいだろ」

クーは銃口をあらぬ方向に……空に向かって6発、発砲した。
もちろん空に敵はいない。
クーの行為を理解できなかったので聞いてみた。

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:18:22.13 ID:e9kS0JlZO
しえん

132 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:20:42.00 ID:4SVRL59Z0
川 ゚ -゚)「マニュアルを使って弾丸の軌道を捻じ曲げた。
     ちゃんと全弾命中させたから安心しろ。
     もう変装なんて解いても大丈夫だぞ」
  _
(;゚∋゚)「はぁ?」

川 ゚ -゚)「私が始末する旨を伝えたはずだが?」

……ああ。
さっきの言葉は『どうせ“私が”殺すから』ってことね。
主語入れろよサイボーグ。

从*゚∀从「ぶぁーかぶぁーか糞・眉・毛wwww」
  _
(#゚∋゚)「煽らないで、ムカつくから!」

川 ゚ -゚)「はいはいワロスワロス。
     もう危険はないからゆっくりいこうか」

  _
( ゚∋゚)从 ゚∀从 「「おk」」







……
…………

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:20:57.77 ID:xfHsVvrjO
支援

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:21:17.44 ID:PSs1tqEt0
ししええんん

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:22:07.39 ID:e9kS0JlZO
クールじゃないか!

136 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:23:54.28 ID:4SVRL59Z0
で、帰宅っと。
  _
( ゚∀゚)「ただいまー」

从 ゚∀从「ただー」

川 ゚ -゚)「いつの間に変装解いたんだか……ただいま」

帰宅時の言葉は三者三様、それでも隠れ家は俺たちを迎え入れてくれた。
我が家の寛大さに思わず感動してその場から動けなくなった。

川 ゚ -゚)「どうした?そんなところで立ち止まって」
  _
( ゚∀゚)「……我が家はいいなって思って」

川 ゚ -゚)「そうだな。休めるところがあるのは素晴らしいと思う」

ですよね。
やっぱり我が家に帰ってくると落ち着ける。
感動するのは俺だけかもしれないが別に悪いことじゃないので気にしない。
だって毎日それなりに命を賭けてるんですもの。
しかし本当に寛大な家だよな。
多分、この家の者じゃなくても迎え入れてくれると思うぞ。

( ФωФ)「おかえり」
  _
( ゚∀゚)「……どう考えても寛大です本当にありがとうございました」

……迎え入れてたよこの家。

137 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:26:57.84 ID:4SVRL59Z0
まあ隠れ家だからセキュリティなんて贅沢なこと言えないからなこの家は。
で、なんで爺さんがこの家に来てるんだ?
疑問に思ったんで聞いてみた。

( ФωФ)「そろそろ頃合いもいいころかと思ってな」
  _
( ゚∀゚)「……そういうことか」

川 ゚ -゚)「どういうことだ?」
  _
( ゚∀゚)「Xデーだよ」

どうせ話を進めていけばクーも分かるだろう。
VIPのトップを暗殺する旨をすでに伝えてあるからな。
だから詳しく説明する気もない。

( ФωФ)「では話すとするか」
  _
( ゚∀゚)「おk」

川 ゚ -゚)「よく分からんが把握」

从*゚∀从「アタチ、子供だからむづかしい話わかんなーい☆
      あっちの部屋で寝ててもいい〜?」
  _
(#゚∀゚)「……」


……ハイン、空気嫁。

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:29:16.39 ID:e9kS0JlZO
しえん

139 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:29:42.65 ID:4SVRL59Z0
川 ゚ -゚)「ハイン、どうやらキミもいた方がいいらしいぞ……ジョルジュの顔色的に考えて」

从 ゚∀从「でもねむーい☆」

川 ゚ -゚)「添い寝してやろうか?」



从;゚∀从「ごめん、永眠しそうなんでやっぱ起きてます」


GJすぎるぜクーさん。
気を取り直して椅子に着く。
他の3人もそれに倣って席に着く。

( ФωФ)「ここにいる皆はVIPのトップを暗殺するために集まってる。
       そろそろ反旗を翻そうと思うんだがどうだ?」

川 ゚ -゚)「……そういうことか。
     計画さえしっかりしてれば私は構わないぞ。
     始末してくれた方が私の安全性も上がるしな」
  _
( ゚∀゚)「俺はあえて言うまでもないだろ」

クーは同意してくれた。
条件付きだが、その条件は俺としても加えてほしいものなので反対する理由がない。
後はハインのみ、だが。

140 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:32:39.63 ID:4SVRL59Z0
从 ゚∀从「オレは不死身体質が治るかもしれないから無茶は遠慮したいな。
      おかしいよな、あんなに死にたがってたのに……死ねる体になったら死にたくないって思っちまうんだ」
  _
( ゚∀゚)「……」

ハインは抜けても仕方がない。
そもそもハインを突き動かしてたものは、不死身体質にして利用したVIP研究所、ならびに研究所へ命令してたVIPのお偉方だ。
その前提となるものが消えかかってる今、ハインが俺たちと行動を共にする理由も同じく消えかかってる。

( ФωФ)「ほう、それは喜ばしい。
       ならハインはこの計画から抜けるか?」


从 ゚∀从「なんでオレが抜けなきゃならないんだよ?
      不死身体質が治るかもしれないってことを知ってる人間なんて少ねえんだ。
      クーと同じだけどさ……俺も安全性が上がるに越したことはないんだ。
      ただ、もう無茶できない体だからそこらへんを考慮してくれってだけだジジイ」

( ФωФ)「……ふむ。分かった」
  _
( ゚∀゚)「……フーン」

从 ゚∀从「なんだよ?」
  _
( ゚∀゚)「別に」

俺の言葉にハインは「……あっそ」と返して話を終える。
ハインが決めた道だ、俺がとやかく言う権利はない。
まあ……ほどほどにしとけよ、と心の中で呟く。

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:34:01.22 ID:TEOnTy/KO
支援

142 : ◆Y9M/ksvYSo :2008/04/29(火) 19:35:16.15 ID:iMnO2dQpO
つまんね

143 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:37:02.38 ID:4SVRL59Z0
( ФωФ)「ではさっそく計画を話す。
       皆の考えも聞いて多少変えるだろうが、大まかな流れはこうだ」

爺さんが説明する。
要約するとこういうことだ。

まずVIPの代表であり、1番偉いモララーを暗殺すること。
目的はそれだけなので無駄な戦闘をしないようにすること。
手順として、モララーの居所の特定→姿を隠して殺せるところまで近づく→暗殺→撤退、の流れで行う。

モララーの居所はおそらくVIPの首都だろう。
あとで情報を得て確実に把握することにする。

姿を隠して近づくことについて、具体的な方法を爺さんは言わなかった。
そこあたりはこの後、話し合うとのこと。
暗殺の仕方についても議論が必要になりそうだ。

撤退に関しては……その前に行うべき2点が不確定なので今は話し合うべきじゃない。と爺さんは言った。


川 ゚ -゚)「ほとんど決まってないじゃないか」

( ФωФ)「皆と話さないとなかなか決められないから仕方がないだろう?
        というわけで何か意見がある奴は挙手を求む」

144 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:40:12.72 ID:4SVRL59Z0
その言葉を聞き、勢いよく上がる1本の腕。
腕はハインから生えていた。

从 ゚∀从「はいはーい。質問しつもーん。
      全員一緒に行動するのか?」

( ФωФ)「それが望ましいと思う。
        私たちは人数が少ない。
        別々に動いて勝手に死なれては困るからな」

爺さんが質問に答える。
ふむふむ。
続いて俺も挙手する。
分からないことが多すぎだからな。
  _
( ゚∀゚)「暗殺方法は狙撃か?爆破か?
     それとも肉薄して直接殺すんか?」

( ФωФ)「狙撃が望ましいがおそらく無理だろうな。
        こんなご時世だからボディガードは絶対いるし、最悪、戦闘支援AIによる守備もあると思う。
        爆発物も立場上、手に入れにくいから爆破も無理だし。
        ならば、なんとか肉薄して殺したいが上手く近づけるか怪しい。……皆の意見を聞きたい」

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:42:33.19 ID:bqyHvGVF0
支援

146 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:42:38.70 ID:4SVRL59Z0
戦闘支援AIまで引っ張り出されては狙撃も接近して殺害するのも成功するとは思えない。
COOLみたいなのもあるわけだしその考えは間違ってないだろう。

从 ゚∀从「でも戦闘支援AIなら、クーが何機か壊したんじゃないか?」


その言葉に反応し、クーへ皆の視線が集中する。
クーは3つのそれらを受け止め、口を開く。

川 ゚ -゚)「2機壊したな。
     1年前まで戦闘支援AIは全部で3機だった。
     新しい物を造ってないなら、もう出てこないはずだが」

(;ФωФ)「……すごいな」

禿同。
よくもまあ壊せたものだ。
流石、『COOL』と同化した女というわけか。
  _
(;゚∀゚)「……!」

そこまで考えて、クーを侮辱しているような気がなってしまった。
俺は今、『COOL』と同化した女……つまり“人間”として彼女を捉えてしまったからだ。
彼女がどうして自分を“狼”と揶揄してるのか、事情を知らないわけではない。

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:43:32.37 ID:e9kS0JlZO
しえん


148 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:45:14.11 ID:4SVRL59Z0
『クー』と『COOL』が同化して、片方の人格が消えた。
そして自分が何者か分からないから、自分を機械扱いせず、人間扱いせず、赤頭巾に出てくる“狼”と例えてる。
自分が同化した相手を喰い殺したということを誤魔化さない為に。

それは自傷行為だ。
そしてそれは『狼』より適した言い方がある。
……犯してしまった事実によって相手を苦しめる物。

―――――人はそれを罰と呼ぶ。

彼女は自分で自分に罰を与えている。
俺はそれを……。

……思考を切り替える。
先ほどクーは「新しい物を造ってないなら、もう出てこない」と言ったな。
少し疑問に思ったので聞いてみるか。
  _
( ゚∀゚)「新しい物について何か情報あるか?」

川 ゚ -゚)「『CUTE』という駄作くらいしか聞いてないな。
     ちなみにそれは結構前に壊してる
     ……あー、その駄作含めたら3機壊してるんだな私は」

ふむふむ。
……お前、マジで強いな。

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:47:20.38 ID:e9kS0JlZO
駄作ww

150 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:48:00.20 ID:4SVRL59Z0
从*゚∀从「つえーじゃん。さすがサイボーグだな!」

川 ゚ -゚)「サイボーグ言うな雌パンダ。
     あと、私の考えを言わせてもらうと……おそらく今、この国には戦闘支援AIがほとんどないと思う」

从#゚∀从「パンダ言「どうしてそう思うのだ?」(ФωФ )

ハインが言い終える前に爺さんがクーに質問してきた。
こいつに意見以外のことを言わせると場が荒れるので、爺さんが強引に話を進めたのだ。
爺さんGJ。
流石、付き合いが長いだけある。

川 ゚ -゚)「『CUTE』は『COOL』の残骸から造った劣化品だった。
     なぜそんなことをしたのか?……劣化品を造った理由は2つ考えられる。
     『COOL』に未練があった、もしくはVIPの戦闘支援AIが品薄になったか。
     そのどちらかだ」

( ФωФ)「クーは後者だと考えたのか」

川 ゚ -゚)「ああ。
     以前、現存の2機が非稼働になってた時があった。
     その間を補うために『CUTE』が造られたと考えられるんだ。
     ……これはショボンの言ってたことだけどな」

ほう?ショボンがそう言ったのか。
あいつが言うことなら間違いないだろう。
ショボンなら情報に詳しいので信用できる。
騙してると考えられなくもないが、それならハインやクーの治療はしないだろうからそっちの面でも信用できる。

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:50:09.31 ID:e9kS0JlZO
しえん

152 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:51:20.46 ID:4SVRL59Z0
とりあえず現在、戦闘支援AIがないということはつまり……。
  _
( ゚∀゚)「暗殺方法は狙撃でFA?」

全員に聞いてみた。
しかし、否定の声がクーから出てきた。

川 ゚ -゚)「いや、そう簡単に狙撃が成功するとは思えない。
     私とてVIPの全てを知ってるわけではないんだ。
     何らかの切り札を隠し持ってるものとして行動した方がいい」

ふむふむ、確かにそうだな。
しかし、そうなると、

从;゚∀从「切り札あるなら肉薄もできねえんじゃね?」

……ハインに言われてしまった。
切り札が対狙撃だけとは限らないしな。
クーがハインの疑問に口を開いた。
そして一言。

川 ゚ -゚)「接近戦のプロが何を言ってるんだ?」

その言葉にハインは黙った。
確かに接近戦のプロだからな、ハインは。
エモノは2本のナイフなわけだし。

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:53:02.53 ID:bqyHvGVF0
支援

154 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:53:53.70 ID:4SVRL59Z0
  _
( ゚∀゚)「まあ俺もそれなりに接近戦ができるから、ハインと一緒なら何とかなるか。
     で、結局どの方法でいくんだ?」

川 ゚ -゚)「私は器用貧乏だからどれでもいい。でも爆破は勘弁願いたい」

从 ゚∀从「狙撃に3人もいらないだろ?
      近距離での暗殺でもいいけど、オレとしては爆破の方が簡単そうでいいな」

川 ゚ -゚)「爆発物が手に入らないなら作るしかないが……結構骨だぞ。
     遠距離から指令を出すタイプの爆発物を作るのは簡単だ。
     ただ、威力をチェックできる場所がない。
     加えて言うならチェック出来ても爆音で、最悪、vipperがワラワラ来ることも考えられる」
  _
(;゚∀゚)「それは却下願いたいな」

暗殺実行前はあまり目立ちたくない。
なら接近して殺すか、狙撃で殺すかの2択になる。
どれが最善か分からないな……。

と、頭を悩ませているとクーの方から声が聞こえた。

川 ゚ -゚)「ロマネスク、近距離戦と遠距離戦……どっちがいいと思う?」

( ФωФ)「そうだな……」

爺さんはその問いにしばらく黙る。
俺たちも黙って爺さんの答えを待つ。
その間が1分も続かないうちに沈黙を破った。

155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:56:21.41 ID:iMnO2dQpO
抗護のパクりとはまたチャレンジャーだな1よ

156 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 19:57:20.82 ID:4SVRL59Z0
( ФωФ)「老いぼれた私はどの実行役にも適さない。
        だからどれにするか君たちに任せたいが……敢えて意見を述べさせてもらおう。
        私としては肉薄しての暗殺を薦める」
  _
( ゚∀゚)「理由は?」

( ФωФ)「確実性を採った考え方だ」

……なるほど。
狙撃が失敗する可能性もあるからな。
距離もそうだが風も厄介だ。
さらに言うなら、狙撃を回避する隠し玉があるかもしれない。

クーのような技能を持った機械とかな。

川 ゚ -゚)「ならどうにかして肉薄する手段を考えないとな」

そして再び場に沈黙が訪れる。
まあ沈黙と言うのは破られるものだ。
先ほどと同じように1分もしないうちに声が上がった。
沈黙を破ったのはハイン。

从*゚∀从「誰かが陽動で暴れまわればいいんじゃね?
       モララーのすぐ近くで。
       そうすれば敵もそっちに目が向く、警備がある程度固まるかもしれないが、モララーは動けなくなるから良案だろ!」

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 19:58:46.74 ID:e9kS0JlZO
しえん

158 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:01:01.44 ID:4SVRL59Z0
確かにメリットがあるな。
ただ、大量にデメリットも出てくるがな。
それをやれば暗殺じゃなくなるから警戒してvipperがわらわら集まりそうだ。
さらにいえばそれは、
  _
(;゚∀゚)「明らかに危険な役だな。
     誰がやるんだよ?」

从*゚∀从「もちろんオレ様」

(;ФωФ)「無茶はできないって言ってなかったか?」

从*゚∀从「これくらい無茶にも入らねーよ!」

うわー、ここに馬鹿がいるぞー。
これは1発ガツンと言ってやらねば。
  _
( ゚∀゚)「お前は今、弱いんだからやめとけ」

从#゚∀从「あ゛ん?」
  _
( ゚∀゚)「ここは俺がやる」

从#゚∀从「手前こそ弱いくせにしゃしゃり出んな!!」

159 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:03:33.62 ID:4SVRL59Z0
  _
(#゚∀゚)「うるせえよ!」

お前じゃ無茶なんだよ!
ムカッと来たのでそう言ってやろうと思った。
が、それを言う前に別の口から声が出た。

川 ゚ -゚)「ここは私がやったほうがいいな。私が1番生き残れそうだ」

クー……お前空気嫁よ。
お前は俺たちの中では1番狙われてるんだから出てくんなよ。

从#゚∀从「手前は引っ込んでろサイボーグ!!」
  _
(#゚∀゚)「お前は大人しく補佐でもやってろ鉄仮面!!」

共通の敵とみなしたのか、ハインと息が合った。
こういうときだけ息が合うのも困りものだが……まあいい。
とりあえずクーが引っ込めばそれでいい。
しかし、クーもクーでムカついたのか、一言だけ俺らに向かって言葉を発した。


川#゚ -゚)「……キミ等ちょっと浴室まで来い」

  _
(;゚∀゚)从;゚∀从 「「ごめんなさい」」

結局、陽動役はクーに決まった。
なんていうか……鶴の一声っていうのはこういうのを指すのか?

160 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:06:13.65 ID:4SVRL59Z0
( ФωФ)「えーと……陽動役はクーでいいとして暗殺役は誰がやる?」
  _
( ゚∀゚)「できれば2人以上ほしいな。
     実行役とその補佐役で」

从 ゚∀从「そこはオレとジョルジュでいいんじゃね?」

( ФωФ)「ならば決まりだな。
        暗殺組はジョルジュとハイン。
        陽動組はクーと私。
        異論がなければこれで話を進めるが」

ん?ちょっと待った。
異論があるので挙手する。
これだけはどうしても言っておかなければならない。

( ФωФ)「どうしたジョルジュ?」
  _
( ゚∀゚)「いや、ちょっと言い忘れてたことがあるんだけどさ」



  _
( ゚∀゚)「爺さんは後処理を頼む。
     暗殺も陽動もしないでほしい」

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:06:26.67 ID:iMnO2dQpO
はぁ…最近なんでパクりばっかなんだろうか…勘弁してくれよまったく

162 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:08:33.30 ID:4SVRL59Z0
(#ФωФ)「……お前は私を年寄り扱いするのか?
        私はまだまだ元気だぞ!!」
  _
( ゚∀゚)「それでも向き不向きがある」

从 ゚∀从「手前には今死なれると困るんだよ」

ハインも俺に続く。
流石、付き合いが長いだけある。俺の言いたいことを理解している。
ただ、クーは若干戸惑い気味だが。

川 ゚ -゚)「死なれると困る……とは?」

从 ゚∀从「このジジイ、実はVIPの議員さん」

川 ゚ -゚)「……あー」

ハインがそれだけ言うとクーは少し考えて納得してくれた。
頭がいいだけのことはある。

(#ФωФ)「議員だから何だというのだ!
        VIPの政策は酷いの一言に尽きる!
        だが私にはこの国を変えるだけの力がない!!
        だから力づくでも変える流れを作らなければならないのだ!!
        そうしなければ……あのクレーター群の下で息絶えてなお泣いている住民に示しがつかないだろうがッ!!!」
  _
(#゚∀゚)「馬鹿野郎!!
     VIPのトップを暗殺しただけでこの国を変えれると思ってるのか?!」

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:11:28.44 ID:bqyHvGVF0
支援

164 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:11:39.45 ID:4SVRL59Z0
そう、革命というものはそれくらいでは成立しない。
爺さんはそれを忘れたのか?
ならば、このボケジジイにも分かるように1から教えてやるよ。
  _
(#゚∀゚)「革命というのはな、国民が起こすものなんだ!
     分かるか?国のトップを殺したくらいじゃ足りないんだ!
     俺ら4人じゃ足りなすぎなんだよ!
     俺らがやることは事実を作ること!
     国民によってトップが殺された事実を流して、“国民にも力がある”と思わせることなんだ!!」

VIPでデモを起こすとvipperが潰しにかかる。
この国の人々はvipperなんて知らないだろう。
しかし何者かが止めに入って……そして反政府活動が死に直結することを理解してるだろう。
だから悪政にも何も言わない。
泣き寝入りするしかないのだ。
  _
(#゚∀゚)「だがな、力があると思う前にどうしてもある状況に陥ってしまうんだ!!
     国のトップがいなくなれば間違いなく国民は動揺する!混乱する!
     だったら誰かが手綱を握らなければならないだろうが!!!」

(;ФωФ)「……!!」
  _
(#゚∀゚)「そして手綱を握るのは手の綺麗な奴じゃないと駄目なんだ!!
     混乱に乗じて今までより酷い政策やられてはたまらないからな!!
     国を想ってる爺さんの気持ちはよく分かる!
     だがな、それが行動に表れてなければ無意味なんだよ!!
     俺らがやろうとしていることはあんたやVIPを無意味にすることだ!
     それくらい分かってんだろクソジジイ!!!」

165 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:14:16.12 ID:4SVRL59Z0
手を汚した政治家なんて誰もついて来はしない。
そして、その政治家自身に一生つきまとう。
どこで情報が漏れるか分からない。
ここは隠れ家だし、爺さんもたまにしか訪れないからいいが……暗殺に加わってしまったらどうなるか分からない。
成功するか保証できないんだ、命からがら逃げ延びたとしても政治生命は終わる。
だからもし俺らが失敗したときに、俺らと同じように仲間を集めて再度、暗殺を企てるくらいのゆとりを持ってほしい。

だから……
  _
( ゚∀゚)「だからあんたは後処理を頼む。……分かってくれ」

( ФωФ)「とても不満だが……………心得た」

その言葉を聞いて一気にクールダウンした。
……納得してくれてありがとう。

そして場に3度目の沈黙が訪れる。
今度は3分経っても破られない。
原因は分かってる……俺だ。
つい熱くなってしまったので、爺さんはもちろん、クーやハインも委縮してしまってる。
  _
(;゚∀゚)「頼む……何か話してくれ」

居心地が悪かったので思わず呟く。
コホン、と咳払いが聞こえた。
クーだった。

川 ゚ -゚)「とりあえず名演説だったぞ」

166 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:17:21.51 ID:4SVRL59Z0
  _
(;゚∀゚)「そこをつっこまないで」

川 ゚ -゚)「それなら話を戻そうか。
     あとは逃亡手段だが……これはあとで話し合おう」

从 ゚∀从「なんでさ?」

川 ゚ -゚)「決行日にモララーがどこにいるのかショボンに聞かなきゃ分からない。
     そして場所を把握してないから逃亡手段も立てられない」
  _
( ゚∀゚)「確かにそうだな」

( ФωФ)「ならば今日はこれで終わりだな。
        決行日は皆の都合のいい日にしたいのだが」

从 ゚∀从「オレはいつでもだいじょーぶだぜ!!」
  _
( ゚∀゚)「俺は銃のメンテや弾を買い揃えたいから……んー、3日ほど待ってくれ」

( ФωФ)「クーは?」

川 ゚ -゚)「仕事は休ませてもらうからいいとして、マニュアルの整理もろもろがあるから。
     そうだな……1週間くらいだな」

167 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:20:09.34 ID:4SVRL59Z0
  _
( ゚∀゚)「なら10日後の午前3時、決行でいいか?」

从 ゚∀从「おk」

川 ゚ -゚)「把握」

( ФωФ)「問題ない」
  _
( ゚∀゚)「念のため繰り返すが……後処理頼んだぜ」

(#ФωФ)「……まだボケてないから2度も言わなくていいぞクソガキ」
















168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:20:18.92 ID:e9kS0JlZO
しえん

169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:21:31.68 ID:9S5ocqc5O
syen

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:26:34.86 ID:xfHsVvrjO



171 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:30:05.97 ID:4SVRL59Z0
後半8話終わりです
そして回答を

>>108
どうでしょう?ドクオのことはあまり考えないようにしてるので

>>155
あのシリーズは長かった覚えがあるので読んでませんが
被ってしまったのなら、諦めて書くしかありませんね
プロットもここまで来ておいて変更なんてできませんし、逃亡もなるべくしたくないので
抗護ファンの方スマソ

172 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:32:10.49 ID:4SVRL59Z0
今日はここまで

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:33:37.04 ID:iMnO2dQpO
>>171
クーやハインがサイボーグのあたりとか
敵がVIPとか脆被りだぞ
一度読んだ方がいい

174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:35:14.17 ID:hl3Wnoe/0
抗護のクーってサイボーグだったのか!!

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:35:15.09 ID:pjrm23PN0
>>173
待て、言いがかりにも程があるぞwwwwwww

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:37:04.69 ID:e9kS0JlZO

抗護とはかぶってないと思うよ

ドクオのポジションおいしいと思うんだけどな
フリーマンとして、どうとでも自由に物語にからめるし…


177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:37:48.23 ID:iMnO2dQpO
>>174
サイボーグだよ
作られたんだし

>>175
俺は真実を述べただけだ

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:37:50.19 ID:XXLrzz930
>>174
俺もそこにびっくりした
人造人間的なあれじゃないのか
サイボーグっていうとすげぇメカっぽい

179 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:39:07.99 ID:4SVRL59Z0
>>173
一行目……
抗護はどこでまとめられてましたっけ?

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:40:01.28 ID:pjrm23PN0
>>179
ただの言いがかりだから間に受けない方がいいとオモ

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:40:05.58 ID:FSFT3A1lO
言い掛かりにも程があるwwwwwww

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:41:23.43 ID:iMnO2dQpO
>>179
オムライス行ってこい
そして被ってたと思ったら二度と投下すんな
わかったらさっさと行ってきやがれ

183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:41:35.86 ID:e9kS0JlZO
言い掛かり付けてる奴が、抗護しか読んでないから
比較対象がそれしかない、ってだけっぽいな

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:42:07.31 ID:hl3Wnoe/0
>>179
コレと抗護を読んでる俺だが被ってるとか思った事も無いから気にするな

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:42:36.43 ID:xTJcmUc50
待ってた、復活おめ。被ってるとは思わないから気にしなくて良いと思う。

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:43:24.86 ID:bqyHvGVF0
組織の名前がVIPとか何個あると思ってんだww

187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:43:36.03 ID:iMnO2dQpO
また信者補正か
もういいよ
パクりが


切った

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:43:48.17 ID:hl3Wnoe/0
ただの荒らしだったとわwwwwwww釣られたwwwwww

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:44:33.44 ID:us0Y7o7q0
被ってるからどうしたって感じだが、被ってすらないな

とりあえず乙

190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:45:37.34 ID:OiCmtC/uO
私抗護儲だけど>>182はキモいと思う

191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:45:47.01 ID:oxZeqO4I0
>>187
こいつ毎日ようですスレに沸いて文句言いまくってる奴だなwww
携帯からご苦労なこった
でも首吊ってこい

192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:46:37.86 ID:pjrm23PN0
作者よかったなぁ

こんな基地外が読むのやめてくれたぞ

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:47:27.67 ID:TEOnTy/KO
終わってた乙

194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:50:27.14 ID:FSFT3A1lO
乙です

195 : ◆pGlVEGQMPE :2008/04/29(火) 20:52:11.70 ID:4SVRL59Z0
あまり気にしてませんがとりあえず暇を見つけて抗護よんできます
では

196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 20:53:25.18 ID:BfwAHh/Y0
禁vipしてたのに魔が差してつい見てしまってた… 乙

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